CODE 016 担当教員 米 山   譲
テーマ 私企業以外の企業経営の研究を通じて,現代の企業経営環境の問題点を学ぶ!
著書・論文
研究課題等
論文
1.「公正報酬原則と資本コスト方法」
2.「第三セクターの論理と実態」
3.「過渡的な企業経営形態といわれる特殊会社・第三  セクターに関する一考察」(他論文20数編)

ゼミ概要
〔内容〕

 公益企業・公益事業・公私混合企業(特殊会社・第三セクター)・公私協力型等私企業以外の企業経営について研究します。
 本稿では,公益企業と第三セクターについて若干の説明をしておきます。公益企業はアメリカで成立し,発展してきたものをわが国に輸入したものであるが,この場合,直輸入しただけでは,ほとんど意味をなさなかったのであります。法制上,統一的に概念として確定されていないので,わが国における公益企業論は学問体系としては,いくぶん無理なところを生かしているのはやむを得ないところです。したがってむしろ主として経済的概念としての側面から理論的な構成を図ることに重点が置かれております。
 さて,現代の私達の経済制度は自由企業経済であります。独占排除,公正取引の保持ということは産業の活動における前提要件となっており,独占排除,公正取引の保持によって消費者の利益が保護される制度におかれているのが私企業であります。したがって,競争原理によってうながされるコストの切り下げと品質改善の経営インセンティーブが有効に働く場合に消費者の利益は,保護される制度であるといわれております。
 これに対して,公益企業の産業セクターにおいては事情は異なります。この産業においては,独占は社会的に容認されます。かつ取引される物件は必需のサービスであります。消費者公衆がこの産業に対して向ける関心は直接的であり,またサービスの価格と品質に対して寄せる関心の度合いも強い。公益企業に対しては公衆の特別な権利意識が生じます。適正価格と高いサービスの下に公益企業が運営されなくてはならないとする社会的要求は当然に生じます。そのようにして消費者保護の見地から事業に対して相当に強い程度の政府規則が加えられるのが,このセクターです。
 公益企業論における基礎概念の取り上げ方は,前述の通りで,そのような考え方を土台にして,公益企業の本質,経済的特性,社会的規制,経営形態,料金決定,料金構成,その他についての研究をしております。
−第三セクターについて−
 公益事業や公共サービスについて語る時,今や第三セクターに触れないですますことはできなくなってきております。小生は第三セクターは,公的部門から私企業部門へ移行する過渡的な企業経営形態と見ておりますが,その存在がますます大きくなってきております。
 政府または地方公共団体が行う事業,提供するサービスが公共事業であり公共サービスであるとしてきました。しかしそうした公共機関本位のとらえ方では,公共事業や公共サービスの全容をもはやとらえきれなくなってきております。地方のリゾート開発事業,大都市の鉄道新線や地下鉄の整備事業,高齢化社会への対応を目指した高齢保健福祉の分野(福祉公社による在宅福祉サービスなど),大学経営における公私協力方式および高度情報化に向けての関連施策分野等,各種の第三セクターの設立が相次いでいるのが現状であります。
 この第三セクター分野は,学生諸君に大いなる研究意欲を与えてくれるものと思われます。

〔履修上の注意〕
  1. 当ゼミは,明・元・素の気概に溢れる学生諸君の入室を希望しています。
  2. 合宿全員参加で行いますので,明るく積極的に行動する人を歓迎します。
  3. 合宿・論文集の発行等を積極的にし,実務で即応出来る人材の育成を行っております。

使用テキスト 担当教員からのメッセージ
授業の中で指定します。  私のモットーは「子供のときに良き節度を学び,青年時代には感情をコントロールすることを学ぶ,中年には正義を学ぶ,老年には良き助言者になることを学ぶ,そして悔いなく死ぬ」です。明るく,人のために勉強する人を望んでおります。


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