CODE |
007 |
担当教員 |
斎 藤 友 之 |
テーマ |
現代の行政と行政改革 |
著書・論文
研究課題等 |
『分権型のまちづくり』日本加除出版,1998年(単著)
『アジアの地方制度』東京大学出版会,1998年(共著)
『政府間計画関係を見る視点』(財)行政管理研究センター,1998年(共著)
『分権化とアジア』かながわ学術財団,2000年(共著) |
|
ゼミ概要 |
1.テーマの考え方と狙い
世紀の転換期にある今,行政改革会議の提議した内閣機能の強化や省庁組織の再編,地方分権推進委員会の勧告に基づく地方分権改革など,わが国では,政治行政制度の大規模な改革が実施されつつあります。
これらの改革に対する基本的な疑問には,次のようなものがあげられるでしょう。例えば,このような改革がなぜ現在行われているのか。改革が必要とされるわが国の行政にはどのような課題があるのか。現在進められている改革は,どのような方向をめざした改革であり,果たしてそれによって課題を解決できるのであろうか。
らに,日常的に感じている「行政」と改革に関連した疑問としては,例えば,ゴミの収集や種々の社会福祉のサービス・公共施設の運営や食品・薬品の安全性を確保するための規制など,身近な地域社会や日常生活に関わるものがほとんどです。このような市民生活に密着した行政活動と,省庁組織の再編や地方分権とは,それではどのように関わっているのであろうか。現在の改革は,身近な行政活動にどのような変化をもたらすのであろうか。
れらの疑問に答えて行くためには,まず現代国家における行政現象の多様性,複雑性の認識と,その基本的な構造や法則の理解が必要となります。また,社会の変化が激しい中では,行政活動の基礎にある考え方自体が大きく変わりつつあることを念頭に置かなければなりません。さらに,イギリスを中心に1980年代に始まった行政改革の動きは,今や先進国に広まり,わが国の行政改革もその発想の影響を色濃く受けていることも,あわせて理解して置くことが重要です。
そこで,本ゼミでは,このような変わりつつある現実を念頭に置いて,現代の行政に関わる諸現象(活動,組織,制度)を,(1)構造,(2)性質を明らかにしながら,(3)行政改革の基礎にある新しい考え方について,検討を深めていきます。
2.研究の方法
前期には,テキストと参考書(適宜)等を中心に,行政現象を捉える視点として,(1)行政の機能を,私たちが住む社会の一定状態を維持し,社会をよりよくしていくこと(社会を管理運営していくこと)と捉え,そのための行政活動のあり方や技術,方法について考察する社会管理の視点と,(2)行政活動が住民の観点からみて適切に行われるように,その決定の方法,決定への参加,そして行政活動の監視・統制等に関わる政治行政関係の視点という二つの観点から,行政学の基本的事項=基礎概念について学習していきます。
後期には,前期の基礎的な理解を基に,実際に自治体レべルで取り組まれている行政改革(実例)を,これらの二つの視点から複眼的に考察することによって,その全体像を捉え直してみます。具体的には,社会管理の視点からは望ましい政策であっても,それが充分に民意を反映しておらず,国民への行政責任を果たしていない場合には,政治行政関係の視点からは望ましい政策とはいえないとになります。逆に,政治行政関係の視点からは,充分な議論を経て,大多数の国民の支持を得た政策であっても社会管理の視点からみて執行が困難であれば,その効果は期待できません。それゆえ,これら二つの視点を常に考慮した見方を地方行革の実例を通して確認していきます。
通年を通して,個人的な予習復習はもとより,ゼミでは,数グループを編成し,そのグループ単位での発表形式で学習あるいは具体的なテーマに取り組んでもらいます。前期は主として,そのグループ単位でテキストの担当箇所を資料化し,他のグループにその資料を基に説明し,最終的にゼミ全体として議論を展開します。後期は主として,地方行革の対象となっている中から,具体的なテーマを設定してもらい,それについて各グループごとに,実際に分析・評価し,報告・改善案等の提言を行ってもらいます。
3.履修上のお願い
ゼミへの参加希望者は,以下の点について簡単に記述してください。
(1)志望動機・理由,(2)ゼミに対する期待,(3)自己紹介 |
|
使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
森田朗編現代の行政放送大学教育振興会2000年 |
積極的で意欲的な学生の参加を期待します。また,ゼミは知識詰め込み型ではなく,共通のテーマの基に,納得と何かを発見する,あるいは生み出すための,みなさんとの「共創の場」と考えています。 |
|
(C) Copyright 2002 Nihon Fukushi University.
all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。

|
|