CODE 002 担当教員 上 田 和 宏
テーマ 日本経済と向き合おう−「構造改革」って何?
著書・論文
研究課題等
[論文]「管理職の行動を考慮に入れた賃金決定モデルについて」日本福祉大学経済論集第20号2000年(北海道大学長谷川光氏との共著)
「輸出と海外生産を行う独占企業の行動」日本福祉大学経済論集第18号1999年(徳島大学伊藤国彦氏との共著)

ゼミ概要
(1)内容・方法

内容

 皆さんは,現在,日本経済の調子が悪く。しかも,そう簡単には好転しないだろうと感じているのではないでしょうか。そのような状況のもとで,「構造改革」という言葉がしきりに使われています。おそらくこれは,日本経済を支えてきた仕組みで,今日の経済環境のなかでは使い物にならないものを捨て,役に立ちそうなものを取り入れるということを意味しているのだと思います。ただ,使い物にならないものに企業や人まで含まれるようですから,当然,それを行うには「痛み」が伴うことになると言われているのでしょう。
 ところで,どうして日本はこんなことになってしまったのでしょうか。新聞やテレビのニュースを見ても,いつまでたっても銀行の不良債権や政府の財政赤字にかかわる問題が語られています。問題は解決の方向に向かわないのでしょうか。
 ゼミではこうした点について考えてみたいと思っています。そのためにも,まず日本経済の姿を知りたいと思います。私たちは,なぜそのような問題を抱えることになったのか。今日,問題はどのように変化しつつあるのか。将来,解決できる可能性があるのか。こういったことを考えたいと思います。こんなことは,国会議員や中央官庁の役人がする話で私たちがしても仕方ない,と思う人が多いかもしれません。しかし,皆さんがこれからの世の中でうまく立ち回るには,今,どんな状況にあるのか,将来,どんな状況が待ち受けているのか,を,ある程度,分析し予想する力をつけておいたほうが得でしょう。ですから,そうしたことを考える習慣をつけることは,決して損にはならないはずです。
 ただし,日本経済の姿をとらえようとするときには道具が必要になります。その道具の第一は理論です。第二はパソコンなどを使った情報処理や統計などの知識です。こうしたことを勉強することもあわせて行いたいと考えています。
 使用するテキストは,日本経済の主要な側面を解説しているものです。全部のトピックについて詳しくならなくてもかまいません。大まかな流れと関心を持つことができる領域が一つでも二つでもできれば,と考えています。ただ,習っていない用語や理論も登場しますから,読むのに最初のうちは時間がかかると思います。でも身につけた言葉を操ることができれば,経済学部を卒業したと胸を張って言えると思います。テキストの内容の理解に努めながら,丁寧に読み,調べるという習慣をつけることを目指しませんか。
 こうして時間を自分に投資しようという人は勉強しに来てください。

テキストの内容

第1章日本経済の歩み
第2章日本経済の成長と循環
第3章日本の経済政策
第4章財政の仕組みと機能
第5章日本の金融システム
第6章産業構造と技術革新
第7章企業経営と産業組織
第8章労働力と労働時間
第9章国民生活と物価問題
第10章地域経済と地域間格差
第11章貿易,国際収支と為替レート
第12章世界経済の動向と日本の役割
終章日本経済の現状と課題

方法
  1. テキストを読み,内容についてレジュメを書き報告します。状況は刻々と変わるので,テキストの内容ではすでに古い場合,新しい情報を調べて報告します。
  2. 夏休みに,テキストを読み進む上で重要と感じた問題などについてレポートを作成し,後期にはそれも利用してゼミを進めます。
  3. コンパなど娯楽については皆さんの積極的意見を参考にしながら進めます。
(2)履修上の注意

以下のどれかにあてはまるような人を歓迎します(こんな人でないとだめというわけではない)
  1. 時間とカネを,自分を磨くために使いたいと考えている人。
  2. 経済理論T,理論Uを1年生で勉強した人,あるいは,1年生ではまじめに勉強しなかったが,2年生では絶対にこれらの単位を取りたいと考えている人。
  3. 2年生で受講できるミクロ経済学,マクロ経済学を履修しようと考えている人。
  4. 夏休みに1泊2日の合宿を(これまでは,京都,大阪で)行い,企業で働いている人と話をし,コンパをします。こうした企画に積極的に参加したいという人。
  5. ゼミでの勉強の成果を学外で発表してみたいと思う人。
  6. べサニー研修やマレーシア研修,インターンシップ(3年)などへ参加しようと考えている人(参加を促します)。
  7. 英語やパソコン,その他(漢字検定でもなんでもよい)の資格に挑戦するなど,自分の能力を高めてみたいと考えている人(勉強方法など相談にのれると思います)。
  8. パソコンを触る(インターネット,メール,プログラミング,etc.)のが好きな人。

使用テキスト 担当教員からのメッセージ
(編著者名)金森久雄,香西泰,大守隆,編
(書名)日本経済読本(第15版)(2200円+税)
(出版社)東洋経済新報社
(出版年)2001年
ゼミの選択は,実際に会って話をし,納得した上で応募してもらうことが望ましいと思います。ぜひ,応募する前に気軽に相談しに来てください。


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