ゼミナール 56 担当者 近 田 錠 二
テーマ 安定した経済社会の構築に向けて何が必要かを考える
授業計画
 「バブル」経済崩壊後の長引く停滞,不況のなかで,旧来の日本的経済システムが時にはその元凶とされ,また,時にはグローバル経済(国際的な大競争)を勝ち残れないという理由でアメリカ流の市場経済原理(競争原理)をより前面に打ち出した,日本的システムの「改革」が着実に進行している。今後,さらに本格化される大企業の「リストラ」(企業の収益を確保ないし増大を目的とした過剰人員整理=人減らし,過剰設備廃棄=工場や支店の閉鎖)によって雇用不安が高まることや,「規制緩和」によって労働条件や雇用形態が悪化(正社員の減少=派遣社員・パート等の増大)したり,「産業構造調整」による製造業の比重低下(とくに中小企業の経営環境の悪化,倒産)が予測される。
 このゼミナールではおもにいくつかの論点を議論することによって,日本経済が長期的な低迷状態を脱し,ハイリスク・不均衡社会を招くのではなく,安定的な経済社会,公正な社会を実現するにはどのような考え方にもとづく制度的仕組みが必要かを検討する。


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