CODE
405
担当教員
柿 本 誠
テーマ
権利擁護の視点から痴呆性高齢者や障害者の福祉を考える
著書・論文
研究課題等
著書 「私達の社会福祉法」 (共著)法律文化社2001.12(予定).
「福祉教科教育法」 (編著)ミネルヴァ書房2002.1(予定)
「ケアマネジメント事典」 (共著)メヂカルフレンド社2002.1(予定)
研究課題 「社会福祉士及び精紳保健福祉士のためのやさしい成年後見制度と権利擁護」
ゼミ概要
【目標】
成年後見人や権利擁護専門員の倫理と専門職としての実務能力の確立
ゼミ生全員が友人との会話能力から他人との対話能力の確立
痴呆の人とのノンバーバルコミュニケーションのトレーニング
【内容】
痴呆の人や障害のある人の権利擁護を, 以下の3つの視点から実証的に研究します。
成年後見制度の活用方法
福祉サービス利用援助事業(地域福祉権利擁護事業)の活用方法
福祉オンブズマンの(第三者委員の苦情解決を含む)の活用方法
痴呆の人, 独り暮らしの高齢者, 障害を持つ人, あるいは, その家族と関わりながら
「当事者学」
を考えます。 福祉サービスを必要とする人達の
権利擁護の前提は, 当事者とのコミュニケーション(言語・準言語・非言語)
です。 そして, 本人の意思による自己決定です。 当事者の潜在能力を尊重し支援する方法を探ります。
さて, わが国は経済効率を価値尺度にした 「競争社会」 を選択している結果, 福祉を利用する人達を 「カウンセリング的手法」 で内面的に解決しようとする傾向が強いような気がします。 カウンセリングも大切と思いますが, 経済効率万能論社会の矛盾解決にも目を向けるべきです。 社会から
「人間が人間として, 生きていくことが阻害されている場合の復権」 をこれからの権利擁護
として位置付けます。 そして, 医療・福祉・司法等の連合チームが
「当事者自身(セルフ)による 「セルフ・アドボカシー」
を側面から支援することが大切です。 その支援の方向性を示す
「コーディネーター」
や
「ディレクター」
役が社会福祉士や精神保健福祉士と思います。 当事者の生活問題を構造的に捉えたアセスメントを分析して, どの視点から支援をすると,
本人の自己決定を最大限引き出す事が出来るかのコーディネ−ターやディレクター
が必要です。
現在私は,
「愛知福祉・リーガルネットワーク研究会」
の座長をしています。 この研究会は, 毎月1回,
「当事者の権利擁護」
(成年後見制度・福祉サービス利用援助事業・苦情解決等)の事例研究を中心に取り組んでいます。 司法書士, 介護支援専門員, 権利擁護専門員, 社会福祉士, MSW, PSW, 介護福祉士, 大学教員, 医師, 看護婦, 保健婦, 生活支援員, 病院職員, 施設職員, 家族の会等で構成されています(当事者の参加もあります)。
現在, 柿本ゼミの学生が, この研究会の書記を交代で兼務しています(交通費が支給されます)。 研究会の参加者とゼミ生の交流がおおいに図られています。 研究会員の勤務先に学生がおじゃまして取材することにも協力して頂いています。
以上のほかに, このゼミは, 各国家試験の準備や就職にもゼミ相互の仲間で取り組みたいと思っています。
【方法】
3年生の前期は, 軽度の痴呆性高齢者のコミュニケーションのトレーニングを, ケアハウスやグループホームの協力を得て行います。 併せて, 社協, 施設, 病院, 裁判所, 信託銀行など, 成年後見制度や福祉サービス利用援助事業の視点で, 訪問取材をゼミ生合同で行います。
後期は, 成年後見制度の文献と事例研究を行います(判例研究を含む)。 その後, 後見人としての支援プログラムの実務演習と, 福祉サービス利用援助事業の実務演習, オンブズマンの福祉サービス評価・苦情処理解決の実務演習を行います(現場の専門家と合同)。
4年生の前期は, 各人が仮テーマを決定して, 各人で現場取材や調査を行います。 月の前半と後半はゼミ生全員が一同に会して, 各人が報告と質疑を行いゼミ生の共通の知識とします(就職や国家試験対策にも取り組みます)。
卒論の中間発表を9月上旬に行います。 そして, 11月には卒業論文が完成することを目標にしています。
【履修上のルール】
1 判例の読み方書き方をマスターしましょう
2 ライフデザイン(アセスメント含む)の支援手法をマスターしましょう
3 合宿(夏休みなど)や研究会へ出来る限り参加しましょう
使用テキスト
担当教員からのメッセージ
新井 誠編著 「成年後見」 有斐閣 2000年
諏訪茂樹著 「コミュニケーショントレーニング」 日経連出版部 2000年
二木 立著 「愛の教育手帳」 2000年度版
論文は 「読み手を、どの世代に設定するか」 を前提にしたいと思います。 「筆者でなければ考えられなかったことを読者に伝える論文」 (宇佐美 寛)が完成したら感激です。
半田市(大学から車で約25分)に連れ合いと2人で住んでいます。 自宅に学生が訪問してくれることを歓迎します。
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