CODE
316
担当教員
池 末 美穂子
テーマ
精神障害者福祉の課題
著書・論文
研究課題等
著 書
「精神障害のベクトル」 (共著) ミネルヴァ書房, 1986年
「日本の福祉〜論点と課題」 (共著) 大月書房, 1999年
「心の障害と精神保健福祉」 (共著) ミネルヴァ書房, 2000年
論 文
「市町村・福祉事務所に移る精神障害者福祉」 生活と福祉, 全社協, 1999年
ゼミ概要
日本は今, 市民生活に直結する諸制度, 中でも社会保障・社会福祉の構造改革期の真っ只中にある。 この時期に, これまで取り残されてきた精神障害者の福祉が, 高齢者や他の障害者福祉と同様に市町村で一体的に行われることになった。 2002年 4 月には全市町村に対して保健所から相談や手帳交付などの業務移管が行われ, 市町村主体でホームヘルプサービスを中心とする精神障害者 「居宅生活支援事業」 が開始される予定である。 いわゆる精神障害者の 『在宅福祉元年』 を迎えることになった。
しかし, 多くの市町村は財源難にあえいでおり, これらの業務移管やホームヘルプサービスの開始が各市町村においてスムースに実施されるかどうか, 当事者・家族・関係者の期待に反してきわめて厳しい状況にある。
〈ゼミのねらい〉
このような厳しい状況への認識や精神障害者福祉に関わる者にとって必要な問題意識を育てられるように, まずは当事者・家族への理解とそのおかれている状況への理解を深めることを重視する。 そのために@当事者・家族が抱えている 「生活問題」 は何かを探り, A精神障害者の医療・リハビリテーションの歴史と併行して社会福祉の動向を学ぶことから精神障害者福祉の課題を明らかにし, B精神障害者福祉の促進をその使命として誕生した精神保健福祉士 (精神科ソーシャルワーカー) の役割, 視点, 必要とされる援助技術とは何かを考えたい。 また, 可能な範囲で近隣の市町村へ何らかのアプローチができればとも考えている。
〈進め方〉
相談しながら進めるが, 大まかな流れは次の通り。
3年
精神障害の基礎的理解 (病気と障害, 医療・リハビリなどの歴史)
当事者・家族をとりまく状況を把握する (文献, 調査資料, 先輩の現場実践から)
見学, 課外実習, ボランテイア活動を通して各自の関心を高める
4年
テーマを定め, テーマを通して精神障害者福祉の課題を明確にしていく
精神障害者福祉の課題との関係において精神科ソーシャルワーカーに期待されている役割と専門性について追求する
〈履修に向けて〉
履修希望者は, 精神障害者や精神保健福祉に関する書物, 論文, 記事 (新聞・雑誌など) から一つを選び, その内容の要約と感想を 400字 5 枚程度にまとめ (ワープロ可), 「希望票」 と一緒に提出すること。
年度末には 4年, 3年, 2年生合同での学習会を予定。 履修者は全員出席してください。
使用テキスト
担当教員からのメッセージ
東京・川崎・横浜兄弟姉妹の会編 「やさしさの距離…精神障害とつきあうきょうだいと私たち」 萌文社, 1998年, 1500円
授業の中で必要に応じて紹介し, 取り上げる。
当事者・家族への温かな理解と社会福祉への鋭い問題意識をもつ人が, 一人でも多く育ってほしいと思っています。
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