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314 |
担当教員 |
片 岡 幸 雄 |
テーマ |
在宅介護支援センターの機能と MSW の役割について |
著書・論文
研究課題等 |
「MSW の資格問題を考える 『ソーシャルワーカーの明日を考える日本協会会員有志』 に異議あり」
『医療ソーシャルワーク』 86 号 愛知県医療ソーシャルワーカー協会 1999年
「社会福祉専門職の課題を MSW の立場から考える」 『真の公的介護保障をめざして』 日本福祉大学社会福祉学会編 あけび書房 1998年
「医療ソーシャルワーカーとケアマネジメント」
『医療ソーシャルワーク』 84 号 愛知県医療ソーシャルワーカー協会 1997年
『社会福祉のアセスメント』 (第 3 部第 1 章) (共著)
中央法規 1997年
『標準看護学講座 9 「社会福祉」』 (共著) 金原出版 |
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ゼミ概要 |
21 世紀がはじまった。 その 21 世紀の(超)高齢社会の 「介護問題」 をのりきるため, 2000年 4 月から介護保険がスタートした。 介護を要する高齢者には, 要介護度に応じてサービスが提供されるわけだが, さまざまな問題と矛盾をさらけ出している。
その介護保険の対象にならない (非該当= 「自立」) 高齢者に対して, 「介護予防」 (寝たきりなどの要介護状態に陥ったり, 状態がさらに悪化することがないようにすること) や, 「生活支援」 (自立した生活を確保するために必要な支援を行なうこと) の施策が進められている。 そして, 在宅介護支援センター (以下, 「支援センター」 という) がその中心的担い手とされている。
この支援センターは, 2000年 3 月までに全国で 1 万ヵ所設置することが決められていたが, 現在, 全国でおよそ 6000カ所にとどまっている。 さらに, 支援センターは, そのほとんどが介護保険の居宅介護支援事業所にもなっており, 実際の業務は, 支援センターというよりも, 居宅介護支援事業所の業務が多忙なために, そちらにシフトされて 「開店休業」 の状態で, 介護予防・生活支援についてはほとんど取り組まれていないところが多いようである。 地域型支援センターの場合, 運営費が大幅にカットされ, 一人配置のために, 役割を果たすためには不安が多いのが実状で, 課題が山積みといえる。
ケアマネジメントが大きな注目を集め, 介護保険にもとり入れられたが, どうも本来のものとは違う 「ケア」 マネジメントのようである。 介護保険では, 介護支援専門員を 「ケアマネジャー」 というようだが, 介護保険サービスのみのマネジメント (利用者にサービスを当てはめること) に終始しているのが実状のようである。
こうした実状を, ソーシャルワークとの関係も含めて学ぶことは重要である。 高齢者と家族の生活全体を丸ごとみるなかで, そこからニーズを発見して必要な援助をしていくことがソーシャルワークの基本と考える。 MSW は, 以前からケアマネジメントを実践してきている。 その援助をおこなうときに, 軸をどこにおいているのか, このことが非常に大きな意味をもっている。 理念としての社会福祉, 方法としてのソーシャルワークにこだわる理由がここにある。 MSW の果たすべき役割を考えていきたい。
この演習でのキーワードは, 「在宅介護支援センター」 (場所), 「介護保険」 (制度), 「ケアマネジメント」 (方法・技法) である。 この 3 つを柱に, MSW をめざして, 必要とされる資質を, このゼミのなかで培えるだけ, 培っていこうというのが, この演習の目的・目標である。 また, 1990年代後半から, 福祉・保健・医療はめまぐるしい変化をきたしており, 病院等の機能分化も進むなかで, MSW の業務も大きく様変わりしている。 そのあたりにも注目して学びたい。
ゼミの内容と履修上の注意は,
- 医療ソーシャルワーカー (MSW) から見た保健・医療の実態, 現場の状況を把握する。
- 在宅介護支援センター (とりわけ病院併設型) の役割と機能を考える。
- 介護保険制度, ケアマネジメントおよびアセスメントの理論, 方法を学ぶ。
- 福祉・保健・医療の統合, 連携がいわれるなか, 改めて社会福祉の理念とソーシャルワークの必要性を, MSW の役割を考えたい。
- MSW の資格制度問題から, ソーシャルワーカー (社会福祉専門職) とは, を考えたい。 現状では, ソーシャルワーカーはいらなくなる (なくなる) ?
- MSW としての 25年以上の経験と, 職能団体 (社団法人日本医療社会事業協会) に関わってきたことが, この分野に関心・興味をもつ人に大いに役だつと考えている。
- 毎週のゼミは, 時間を守りきちんと出席すること。 無断欠席をしない (欠席の場合は, 事前に連絡のこと)。 「お客さん」 ではなく, 主体的に課題 (問題) 意識をもって出席し, 1 回は発言すること。
- 夏, 春には集中的に討論したいので, ゼミ合宿を考えたい。
履修決定者は, 2002年 1 月 30日 (水) 午後 4 時から (場所は, おって掲示する), 第 1 回ミーティング (終了後, 先輩も含め交流会=コンパを予定) を行うので, 必ず出席のこと。
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使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
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MSW をめざす学生のゼミです。 ゼミで学ぶことを通して, 社会へでてから役だつものを培っていこう。 ゼミ生の 「自己決定」 と 「主体性」 を尊重したゼミ運営を行う。 「21 世紀の MSW 像の構築めざして」 ともに学ぼう。 |
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