CODE 311 担当教員 山 口 み ほ
テーマ 医療ソーシャルワークの実際から現代の医療福祉問題を考える
著書・論文
研究課題等
(著書)
『医療福祉概論』 (共著) 学文社 1997年4月
『個別援助の方法論―ケースワークを超えてー』 (共著) 株式会社みらい 1998年4月
『心理・福祉臨床の実践2 心の障害と精神保健福祉』 (共著) ミネルヴァ書房 2000年7月
『現代の社会福祉』 (共著) 株式会社みらい 2001年4月
 
(研究課題)
「薬物依存症者の回復支援に関わる福祉的援助」
「今日の医療ソーシャルワークの課題と MSW 養成」

ゼミ概要
<ゼミのねらい>

 わが国は, 憲法 25 条に規定された生存権保障の理念を基礎に, 「医療は, 生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし, 医師, 歯科医師, 薬剤師, 看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき, 及び医療を受ける者の心身の状態に応じて行なわれるとともに, その内容は, 単に治療のみならず, 疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。」 ( 「医療法」 第1条の2) という医療提供の理念を掲げています。
 しかしながら現在進められつつある医療改革は, 公的医療費支出抑制や健康保険組合の財政立て直しのために患者・家族の経済的負担を増大させ, 受診・受療の抑制をはかる側面が強く見られ, 「良質で適切な医療の保障」 という理念の後退が危惧されます。
 他方では, 医療技術の進歩や人々の 「医療」 に対する意識の変化から, 「医療現場」 も従来の医療機関中心から地域医療, 在宅医療へと領域の拡大を見せるとともに, 生命倫理やターミナル・ケア, 臓器移植, インフォームド・コンセントをめぐる問題など, 新たな課題が生まれており, 「生活」 や 「人生」 との関わり抜きに 「医療」 を考えることはできなくなってきました。
 こうした時代の流れにあって, 患者とその家族が抱える経済・心理・社会的問題は複雑化しており, その解決・軽減のために活動する医療ソーシャルワーカー (以下, MSW と略) の役割の重要性も増し, 活動領域や業務内容も拡大しています。 しかし, 現実には MSW が配置されていない医療機関もまた多く, 配置されていても適切に機能していないケースもあり, 患者・家族のニーズに充分に応えられているとは言い難い状況にあります。
 本ゼミでは, そのような MSW の実際を学ぶことを通して,
(1) 患者・家族の生活に現れている医療福祉問題を具体的にとらえること,
(2) それらの問題に関わる社会的な制度・政策の実体をさぐること,
(3) 患者・家族の生活問題の解決・軽減に資する援助のあり方を考えること,
を目指します。
 また, 副次的な目標になりますが, このゼミ活動を通して, これまでに養ってきた読む力・考える力・書く力・表現する力・他者と協働する力などの学習に関する基礎的な力量を充分に発揮すること, そしてさらに深めることも目指したいと思います。 これらの力は, 将来医療や福祉の現場で専門職として働く場合にも, 当然必要とされるものであると考えています。

<進め方>

 スケジュールの詳細は, 話し合って決めていきたいと思います。 あくまでも, ゼミ生による自主的・主体的なゼミ運営を期待します。
 ただし, おおまかな活動目標として以下の取り組みを提示しておきます。
(1) ゼミのテーマの下に, ゼミ生各自が自分自身の学習テーマを設定する
(2) ゼミ全員が学習計画および学習成果の報告の機会を持つ
(3) 3年次の学年末には, 各自のテーマでレポートを作成する
(4) 4年次には卒業論文に取り組む

<その他>
  • 遅刻・欠席は厳禁。 やむを得ない事情がある場合には, きちんと連絡をしてください。
  • ゼミの時間内にも, 現役の MSW の方からお話を伺う機会を設定しますが, 本ゼミの履修者には, 積極的に保健・医療機関での実習や, 傷病を持つ当事者の団体やその家族団体の活動, MSW の研修会・研究会に参加して頂きたいと思います。
  • MSW をめざす人はもちろん, MSW とチームを組む (あるいは連携する) 立場や保健・医療サービスの利用者の立場から医療福祉を考えたいという人も歓迎します。

使用テキスト 担当教員からのメッセージ
ゼミでの話し合いで決定します。  初めて専門演習を担当します。 フレッシュな気持ちで皆さんと一緒に学びたいと思っています。


(C) Copyright 2002 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。