CODE
310
担当教員
二 木 立
テーマ
リハビリテーション医学の視点から医療・老人・障害者 (児) 福祉を考える
著書・論文
研究課題等
『脳卒中の早期リハビリテーション (第2版)』 (上田敏氏と共著) 医学書院, 1992年
『「世界一」 の医療費抑制政策を見直す時期』 勁草書房, 1994年
『日本の医療費−国際比較の視角から』 医学書院, 1995年
『公的介護保険に異議あり』 (里見賢治, 伊東敬文氏と共著) ミネルヴァ書房, 1996年
『保健・医療・福祉複合体』 医学書院, 1998年
『介護保険と医療保険改革』 勁草書房, 2000年
『21 世紀初頭の医療と介護』 勁草書房, 2001年
ゼミ概要
〔三つの目標〕
私の専門演習は, 以下の 3つを目標にしています。 (1)わが国のリハビリテーション (以下, リハと略) の 「光と影」 を医学的リハを中心にして総合的に学ぶ, (2)将来専門職として働く上で不可欠な諸能力と規律を身につける, (3)ゼミ生全員が社会福祉士国家試験に現役合格する。
〔内容・方法〕
本ゼミでは, わが国のリハを総合的に学ぶと共に, 医療・老人・障害者 (児) 福祉を, リハ医学的視点と社会的視点を統一して考えます。 学生の皆さんや福祉関係者の中には, 医療・老人・障害者 (児) 福祉を 「心」 や 「人間関係」 の問題に矮小化したり, 逆に, すべての問題の原因を 「社会」 や 「政策」 にのみ求めようとする方が少なくありません。 しかし, このようないわば両極端の理解は, ともに, 老人・障害者 (児) が抱えている疾病・障害そのもの=医学的問題を軽視しているという点で正しくありません。 この一面的な理解を克服するためには, 医学医療についての基本的知識と医学的なものの見方 (センス) を身につけることが不可欠だ, と私は考えています。
2年間の進行計画:
ゼミ履修決定者は, 専門演習の 「導入」 として,
3月 27〜28 日に行う4年生との合同 「春合宿」
に参加します。 これは, 無条件の全員参加です。 この合宿では, (1)履修希望票と同時に提出する第1回レポート (履修上の注意参照) の公開添削, (2)同個別指導, (3)社会福祉士 「模擬試験」 等を行います。
その上で3年次には, 先ず導入として, ビデオと 『リハの思想 〔第 2 版〕』 で, リハ (医学) のイメージをつかみます。 次いで, 『リハを考える』 『リハ医学の世界』 等からゼミ生の希望の最も多い本を2冊目のテキストに選び, それにより, リハの理念 (「障害」 の見方を含む) と医学的リハを中心としたリハの実際を, 幅広く学びます。 合わせて3年次には, 医学医療についての基本的知識を身につけるために, 「現代医療論」, 「障害児の病理と保健 (I・II)」 「リハ医学」 の履修を義務づけます。
4年次前期には, ゼミ生に私の著書の中から1冊を選んでもらい, 最新のわが国 (および欧米諸国) の医療制度・医療政策を学びます。 それと並行して, 専門演習論文 (卒論) の準備を行い,
夏休み中に, 卒論 (個人論文, 30〜50枚) を完成します。
卒論のテーマは自由ですが, 「方法」 に関しては, 「文献学的考察」 だけでなく, 広義の 「実践」 (施設実習, サークル活動, ボランティア活動, 独自調査等) を含めることを求めます。 また, 第一次草稿から後期第1回プロゼミ時提出の 「完成稿」 まで7回推敲・添削します。
最後に, 4年次後期のプロゼミ (隔週開催予定) では, 各人の実習・就職活動の報告・質疑応答を行うとともに, 必要に応じて, 社会福祉士国家試験の 「受験勉強」 を行います。 つまり
4年次後期は社会福祉士の試験勉強と就職活動に専念できます。
学習方法:
文献学習だけでなく, (1)ビデオ・映画, (2)ゼミとしての施設見学 (前期と後期に1回づつ, 東海地方の代表的病院や老人・障害者 (児) 福祉施設を見学), (3)各人の施設実習, (4)リハ関連の各種催しへの参加, を重視します。 合わせて, 本ゼミでは, 将来, 医療施設や老人・障害者 (児) 福祉施設等で専門職として働く上で不可欠な, 6つの能力−(1)規律, (2)情報収集能力, (3)作文能力 (公式文書の作成能力を含む), (4)スピーチ能力, (5)パソコン操作能力, および(6)社会福祉士国家試験に 「現役合格」 できる学力−の習得を目標にし, 「甘え」 を排した厳格な指導を行います。 特に(6)に関して,
ゼミ生全員に, 社会福祉援助技術現場実習の履修を義務づけるとともに, 社会福祉士国家試験に現役合格するよう, 真剣に勉強することを求めます。
このように, 私は, 「形式」 面では, 厳格な指導を行いますが, 「内容」 面では, ゼミ生の自由と自主性を最大限に尊重します。 先ずプロゼミに関しては, 私は, 原則として, 開始時の連絡事項の伝達と最後のまとめの時にのみ発言します。 卒論のテーマと方法の選択も, 全く自由です。 更に, 本ゼミでは, 人を対象にする専門職には幅広い教養と豊かな感性が必要という視点から, 積極的に, 映画や演劇等を観ることを勧めています。
〔履修上の注意〕
※これは私の演習概要の 「要約」 です。 履修希望者は, 演習概要 「全文」 (私の研究室 406 号室ドアに置いてあります) を熟読のこと。
履修希望者は, (1) 『札幌発リハビリテーション物語』 (岡本五十雄著, 桐書房), (2) 『リハビリテーション』 (上田敏著, 講談社), (3)私の著作 (どれでも可) から1冊を選んで通読し, 本の内容の要旨と感想 (本に書かれている内容と関わらせての自分の体験や関心等) をB5判 400字詰め原稿用紙 (横書き) 5枚程度にまとめて, 履修希望票とともに提出すること。 履修希望票には, 自分のセールスポイントや特技, ゼミで希望する役割分担をできるだけ具体的に書くこと。 希望票の最後に社会福祉士国家試験の受験資格の有無を明記すること (不合格者は来年度の 「再チャレンジ試験」 で必ず合格する決意と誓約も書くこと)。
ゼミ生の選考にあたっては, 希望票とレポートをそれぞれ別個に評価した上で, 両者の 「総合点」 が高い学生, 及び希望票かレポートのどちらかに, 「個性」 や 「やる気」 が光っている学生を選びます。 なお, 卒業後の進路希望は, 「選考」 時にはいっさい考慮しません。
履修決定者は,年度末テスト終了直後の1月 30日 (水) 午後6時 10分に私の研究室 (406 号室) で行う第 1 回ミーティングと春合宿の打ち合わせに, 必ず出席すること。
使用テキスト
担当教員からのメッセージ
上田敏 『リハビリテーションの思想 〔第2版〕』 医学書院, 2001 年
(1)上田敏 『リハビリテーションを考える』 青木書店, 1983 年 (2)上田敏 『リハビリテーション医学の世界』 三輪書店, 1992 年等から1冊選択。
私は, 「形式には厳しいが, 内容面では自由で, 実力のつく」 ゼミ指導を行います。 今年の現役ゼミ生が創ったキャッチコピーの最優秀作は 「大学生活の身体拘束解除します。 頭と心のリハビリテーション医学」 です。
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