ハンバーガーが世界的に安く大量に供給されている裏には,安い牛肉を大量に得るためのアマゾンの森林の放牧地への大規模な転換がある。ハンバーガーコネクションと言われる。このように,私たちの普段の生活や生産活動と環墳問題は,思わぬ深さと広がりで関わりあっている。森林破壊だけではない。地球温暖化,オゾン層破壊,原発と工ネルギー間題,人口と食料問題,環境ホルモン間題などはこれらが相互に絡み合いながら,世界の人々の生活と生産の総体と深く関わって生じている。問題は対処療法的措置ではもはや解決できず,長期的見通しと広い視野に立った,人類共通の新しい価値観の確立が必要となっている。
ゼミでは,地球規模の環墳間題を中心に,その実態を自然科学と人文社会科学の両面からとらえ,解決の方向について皆で考えてみる。ただし,できる限り身近な,例えばごみやリサイクルの問題などをとりあげながら議論していく。前期にはテキストを中心に地球環境の主な問題を総括し,後期にはテキストから離れ,身近で時事的な問題に焦点を当て議論する。
長良川河口堰,愛知万博会場など,手近なところへの見学にも出かける。また,クラスのホームページを作成しゼミの研究成果を内外に発表する。
テキスト:『地球環境読本』 加藤尚武編 丸善 平成13年
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