CODE |
308 |
担当教員 |
近 藤 克 則 |
テーマ |
保健福祉のための Gerontology (老年学) |
著書・論文
研究課題等 |
- 「著書」
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脳卒中リハビリテーション−早期リハからケアマネジメントまで (編著) . 医歯薬出版, 2000.
- 高齢者福祉論. 建帛社 (分担執筆), 2000.
- 「論文」
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脳血管障害患者の評価とケアマネージメント. JIM7:102-104 1997.
- 要介護高齢者は低所得者層になぜ多いか−介護予防政策への示唆. 社会保険旬報 2073, 2000.9.11
- 「研究課題」
- リハビリテーション医学, 老年学, ケアマネジメント, 医療福祉政策
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ゼミ概要 |
(1)内容
- 【key words】
- Gerontology (老年学・長寿科学), リハビリテーション医学, 老人福祉, ケアマネジメント, 老人医療, 社会医学, 介護予防, 介護保険, 高齢社会
人は, 若くして死なない限り, 例外なく高齢期を迎え, 未経験の“問題”に直面します。 今後さらに高齢化が進む日本ではさまざまな“高齢者問題”が次々と社会問題化するでしょう。 これらの内, 本ゼミでは, 上記の key words のような高齢者の医療・福祉の接点を取り上げます。
私は, 第一線病院の中のリハビリテーション科・地域医療科の開設に参加し, 1000例以上の脳卒中患者と数十例の在宅ケアを受けている患者 (とその家族) の臨床に医師の立場で携わってきました。 この間に, 老人患者の 「末期医療」 や在宅療養に移行後の往診・訪問看護などの 「地域ケア」 の現場で, 治癒を目標とする医学・医療の限界を感じる機会がしばしばありました。 例えば, 患者自らの力では経口摂取が不可能な状態になっても, 高カロリー輸液などの医学的技術を駆使する延命治療に対し, 長期の介護に疲労困憊した家族から, 「あとどれくらいもつのでしょうか」 と, 遠慮がちに問われたこともあります。 このような医療の中で,
1. 日本では福祉の不足を医療が肩代わりしてきたこと,
2. その結果, 本来なら福祉サービスで対応すべき老人を医療機関で 「治療」 せざるを得なくなっていたこと,
3. それらをなくすには, リハビリテーション医学的視点や, (場合により医療以上に) 福祉サービスが必要なこと, 政策・制度レベルの対策なしには解決し得ない問題も多いことなどを臨床経験を通じ実感してきました。
本ゼミでは, このような私の経験・経歴を反映し, リハビリテーション医学や地域医療の視点から, 高齢者保健や福祉サービスのあり方を考えます。 そして, その背景にある福祉・医療の経済や政策についても検討します。 これらを通じ保健福祉実践のために必要な Gerontology (老年学) 全般に迫りたいと思います。
(2)方 法
春合宿では発想法の一つである KJ 法を用いて, ゼミ生の興味関心を言語化します。 そこで編成するサブゼミを基礎に, 学生自ら選んだサブテーマにそって, 自分たちで調べ, 発表する経験を重ねます。 卒論は, 4年生の秋以降, 就職活動と社会福祉士の国家試験対策に専念できるようにするため, 4年の夏休み明けに提出してもらいます。 (もちろん就職活動が春にピークを迎える学生は個別に配慮します) そのために, 3年次の終わりには各人のテーマを決め, 春合宿で 1 回目の骨子提出, その後毎月の添削を通じ, 論理的な思考と文章の書き方を体感してもらいます。
(3)履修上の注意
- 1)
- 「大学」 の原型は, 共通するテーマに興味をもった学生が集まり, そのテーマにふさわしい講師を自分たちで捜し出し招いた形で始まったそうです。 きっと苦労して手に入れたものほど, 印象に残るものだったのだと思います。 本ゼミが, 実り多いものになるか否かは,担当教員 の私もさることながら, 参加する学生の興味・関心の高さや努力・苦労の大きさに左右されるのだと考えます。
したがって, 参加学生の興味や自主性を尊重しますが, 努力や苦労も求めたいと思います。 レポート執筆にはワープロを使うことを義務づけますし,
(私が講義で使用しているような) プレゼンテーションソフトにも挑戦してほしいと思います。 美浜キャンパスで初めてゼミのホームページを作成したのは,
このゼミの先輩たちでした。 これらに伴う努力や苦労を望まない学生は辞退してください。 積極的に新しい課題に挑戦する“意気込み”を期待します。
- 2)
- “意気込み”を感じられる人を優先します。 希望票には, 過去の実績や今後にかける決意など, “意気込み”を表現して下さい。
- 3)
- 私は, 自らの学生時代の 「全国医学生ゼミナール」 を初め, 多くの自主ゼミを経験しています。
その中で, ゼミという小集団の中での, 小さな成功体験や失敗体験から (講義からでは得難い) 知識以外の多くのものを学べる楽しさ
(苦労もありましたが) を知っています。 特に, 20歳前後の青年期が, 人間としての著しい成長・飛躍の時期だと理解しています。
ゼミの仲間に揉まれるなかで, (私も含め) お互いに人間としての全面的発達が得られることを望みます。 そのために,
一人の世界に閉じこもることなく, 集団に働きかける姿勢を持っている学生の参加を期待します。
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使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
専門演習開始後に指示します。 |
私は 「知識を覚えるだけでなく, 知識を手に入れる方法や考え方を身につけることが大切」 「知的能力を磨くだけでなく, それを用いる目的を見出すことが重要」 と考えています。 共感する学生の参加を期待します。
海外旅行に例えると添乗員付きの安心パック旅行よりも, 苦労しながら自分たちでプランを立て, 予想外の事態も自分たちで乗り切るようなちょっぴり冒険旅行が好きな人を歓迎します。 |
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