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304 |
担当教員 |
木 戸 利 秋 |
テーマ |
コミュニティ・ケアの政策と実践 〜日英の比較を通して〜 |
著書・論文
研究課題等 |
- 著書・論文
- 共著 『世界の社会福祉』 学苑社,1994年
共著 『豊かさのなかの貧困と公的扶助』 法律文化社,1994年
単著 『新潟の在宅ケア―新しい世紀をみつめて―』 新潟日報事業社,2001年
単著 「ロンドンのコミュニティ・ケア」 日本福祉大学社会福祉論集,第 101 号,1999年
単著 「20世紀末の社会福祉−イギリス−」 社会事業史研究,第 27 号,1999年
- 研究課題
- 戦後イギリス社会福祉の研究
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ゼミ概要 |
- このゼミナールのねらいは, イギリスのコミュニティ・ケアの展開を批判的に学ぶことを通して, 日本の社会福祉の課題を相対化して理解することです。
例えばわが国の介護保険では保険給付の対象者を明らかにするために, 要介護認定が行われ, そのあり方が問題になっています。 イギリスのコミュニティ・ケアは税方式で行われていますが, そこでも eligibility criteria と呼ばれている要介護認定があり, 利用者のニーズ・アセスメントにおいて重要な位置をしめています。 しかしながら, それは全国一律のシステムではなく地方自治体によって異なり, しかもその内容は, ある自治体の例をみると, 在宅生活の継続にとって問題になる生活リスクの程度を明らかにしようとしているなど, 特徴を見出せます。
このようにイギリスのしくみをみていくと, 長期ケアへの社会的対応に共通性とともに独自のアプローチがあることに気づかされます。
そしてその経験を学ぶことは, 現在の日本のかかえる問題の性格や位置を, 国際的な視野から考えることのできる能力を身に付けることになりますし,
このことは複雑な問題をかかえる我が国の社会福祉の現場で仕事をしていくうえでも, プラスの力となるはずです。
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進め方の目安として 3年次の前期においては下記テキストに示している翻訳文献と英文を併用して, イギリスのコミュニティ・ケアの基本用語や枠組みについて共通理解を深めます。 併せて, 月に 1 回は日本のコミュニティ・ケアに関連するテーマについても検討します。
英文を読むことを心配されている方も多いと思いますが, 肝心なのはやりぬく意志と意欲です。
ひとつの単語を調べることを面倒がらずに行い, ゼミに出席していけば個別指導を通して英文読解力はかならず向上します。
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3年次後期には, 卒業研究にむけて自分の問題関心のある領域を明確にし, 最終的には卒論テーマを確定することを目標とします。
そのためには, 第一に, 日本のコミュニティ・ケアに対する自分の問題関心の所在をはっきりさせることが必要です。 自分の関心のある問題についての最近の動向やこれまで発表されている研究論文などから学びます。 また, 必要に応じて, フィールドワークなどの実践も各自で工夫します。 第二に, イギリスの関連した動向について雑誌, 新聞記事, インターネットなどから英文資料を収集し, 学びます。 これらの 2 つの課題にとりくみながら, ゼミナールの時間に学習の成果を発表しあいます。
以下にコミュニティ・ケアへの視点の例を示します。 自分の問題関心を考える際の参考にしてください。
<コミュニティ・ケアへの視点の例示>
- 貧困とコミュニティ・ケア―所得保障の課題―
- 福祉の多元化と福祉事務所の役割変化
- 地域福祉と住民参加
- 施設ケアと在宅ケア
- 保健医療と福祉の連携
- 住環境とコミュニティ・ケア
- ホームレス/外国人とコミュニティ・ケア
- コミュニティ・ケアと社会福祉理論
- その他
- 3年次春休みに合宿を行い, 卒論テーマを確定し, 4年次では論文作成の指導を中心に行います。
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使用テキスト |
担当教員からのメッセージ |
- 小田兼三監訳 『英国コミュニティ・ケア白書』 中央法規,1991 (図書館分類 369.0233/O17/)
- 杉岡直人等訳 『コミュニティ・ケア・ハンドブック』 ミネルヴァ書房, 1997 (図書館分類 369.7/Me62/)
- Cm849, Caring for people, HMSO, 1989 (テキスト 1 の原書)
- Meredith.B., The Community Care Handbook, the reformed system explained, Age Concern England, 2nd ed., 1995 (テキスト 2 の原書, 但し翻訳書は初版 1993 に基づいている)
- Community Care:Agenda for Action, HMSO, 1988 (グリフィス報告書)
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日本への問題関心をしっかりもって, イギリスの社会福祉を学びましょう。 社会福祉の仕事を志す学生の皆さんと学びあえることを楽しみにしています。 |
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