ゼミナール 17 担当者 亀 谷 和 史
テーマ 日本の子どもの「危機」と「教育問題」
     ― その歴史的・社会的背景を問う ―
授業計画
 今、日本の子どもたちと教育は多くの問題を抱え、危機的な状況に陥っています。小学校低学年で急速に広がり出した「学級崩壊」,10 代の少年による凶悪事件,いじめ,不登校・引きこもり,校内暴力など,数多くの問題が指摘され続けています。日本の子どもたちは,人間形成上,危機的な状況におかれています。そして何か事件が起こるたびに,家庭(親)が悪い,学校(,教師)が悪い,いや行政に問題がある等,「犯人さがし」が行われ,それで終わってしまうことが少なからずあります。
 しかし,今日の子どもと教育の問題状況は,様々な歴史的・社会的背景の下で,複合的重層的な要因によって生じているわけで,そう単純に割り切ることはできません。その前に今,子どもたちの世界はどうなっているのか,何が起きているのか,危機の実像を丁寧に見てゆき,その背景を丹念に解明することが求められています。その作業を通してしか,子育てと教育の再生はありえないでしょう。
 今年度のゼミでは,まず事例研究として,『少年「5000 万円」恐喝事件を読みひらく』(あいち民研「少年恐喝事件」調査プロジェクト編,ファーラム. A)を取り上げてみんなで検討してみたいと考えています。またサブ・テキストとして 『子どもの危機をどう見るか』(尾木直樹著・岩波新書)も参考にし,議論し深めていきます。


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