ゼミナール 14 担当者 種 田 庸 宥
テーマ 表現と環境=思考の柔軟訓練の場としての
授業計画
 人間は社会環境の中での養護を受けて成長するのですが,そこでの最も人間らしさとは「対話する能力」(乾著「伝えあい心理学」いかだ社)です。本ゼミでは,対話の可能性と想像力の創造方法を追求します。
 「対話」の持つ最も大きな可能性は,人間の言葉には,「…としたら」があるということです。私たちは「…としたら」によって,相手や第三者の立場に立って,自分を,相手との関係を,世界を見直すことができます。
 「…としたら」は,また「未来」を語る言葉でもあります。これがゼミのキーワードです。
 二十世紀を代表する劇作家ブレヒトは,彼の提唱した教育劇(ブレヒト「教育劇集」未来社)について,こう解説しています。「教育劇の参加者は,作品の中にテーマを探すのではなく,思考の柔軟訓練が目的なのだ。」
 対話を想像力をどう深めるか。それを心理学,哲学,芸術学,物語論等から検討するだけでなく,演劇的パフォーマンスとして,実際に身体を動かし,声を出すことで,精神と身体の可能性も追求(竹内敏晴「からだが語ることば」評論社)していきます。


(C) Copyright 2002 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。