CODE 126 担当教員 竹 中 哲 夫
テーマ 子ども虐待の援助と児童福祉
― 児童と家族の臨床的理解と援助方法の研究 ―
著書・論文
研究課題等
(研究課題は、次の著書・論文のテーマと同じです。 )
竹中哲夫 『児童福祉法改正論−制度論から援助論へ』 三和書房、1998年
竹中哲夫 『現代児童養護論 (第2版) 』 ミネルヴァ書房、1995年
竹中哲夫 『児童福祉改革の展望』 みらい、1995年
竹中哲夫 「不登校の理解と援助」 竹中他編 『子どもと青年のこころの援助』 ミネルヴァ書房、2000年
竹中哲夫 『児童福祉臨床の方法・技術論』 三和書房、1991年
竹中哲夫 『現代児童相談所論』 三和書房、2000年
竹中哲夫他編著 『子ども虐待の援助』 ミネルヴァ書房、2002年刊行予定

ゼミ概要
内容・方法
  1.  近年, 子ども虐待への対応が児童相談所・児童福祉施設の大きな課題になっている。 この問題には心理的援助・ソーシャルワーク的援助のみならず法的強制力を背景にした対応も必要になる。 その意味で, 児童福祉の援助論についても新しい考察が必要になっている。  当ゼミナールでは, 児童福祉施設と児童相談所など児童福祉相談機関における臨床的援助方法の学習をするのであるが, 2002年度は 「子ども虐待」 を切り口にし, そこから児童福祉の臨床的援助を学ぶことにする。 援助論の枠組みは例年通り 「心理ソーシャルワーク」 とする。 それは, 児童福祉分野のソーシャルワーカーは, 心理学的援助を大いに活用する必要があるからである。 またテーマを 「子ども虐待の援助」 としたが, 子ども虐待問題だけを取り上げるのではない。 子ども虐待の理解と援助を入り口に, 不登校, 引きこもり, 非行, 自閉的問題などにも目配りをする。 子ども虐待問題は, 近年やや過熱気味に議論されることもあるが, 当ゼミナールでは努めてクールに問題を解明し援助のあり方を考える。
  2. 学習の開始に当たって,
  3. 担当教員 から子ども虐待問題の概観を提示する (テキスト(2)などを使用予定) 。 3年前期は, テキスト(1)を中心に研究活動を開始する。 テキストのどこに取り組むか, それぞれの興味によって選択し, 興味の合う人同士で小グループを作る。 当分の間, この小グループ (2〜5人程度) で共同研究を進め, 成果をゼミで発表する。 後期は, 子ども虐待関係論文およびテキスト(3)を扱う。
  4.  ゼミに先立ち, 春休みに 「テキスト(4)」 − 「第8章:児童福祉援助の組織論と方法・技術論」 を通読し, 簡単な読書ノート (要点をメモし, 最後に感想質問を記す) を作成する (提出は第1回ゼミ−希望者には上記 「第8章」 のコピーを提供する) 。 なお早坂繁幸 『精神科のすべてがわかる本』 (KKベストセラーズ) を基礎知識として読了することを勧めます (新書版の読みやすい本) 。 また, 春休みに, 各自自主的に施設見学 (児童福祉施設・児童相談所。 施設種別は自由選択) をすることが望ましい。 ただし予習をして質問を用意すること。
  5. 全国児童養護問題研究会, 全国児童相談研究会, 日本子ども虐待防止研究会, その他の現場職員の研究会・学習会に極力参加すること。
  6. 春休みに 「新3, 4年合同の1日ゼミ学習会」 を行う。 2002年3月25〜28日の間に実施する予定。 場所は, 名古屋市内を予定。 2001年12月13日以降に内容を明記した要項を配布するので研究本館3階323竹中研究室 (ポスト) で受け取ること。
ゼミ進行上の留意点

 ゼミで, 発表する場合は, (1) ゼミ全体に発表テーマを予告し, 関係文献 (論文・資料) をよく読んで, 簡潔明瞭にまとめる。 (2) その上で, 関係文献について, その重要なポイントや問題点, 検討の課題などを提示する。 (3) 報告に要する時間はおよそ30分〜40分程度とする。 余り短い時間の報告では, 論旨の展開不足となり討論ができない。 余り長い報告では, 討論の時間が不足する。 (4) 報告を受ける側も予告テーマを受けて事前に学習し, 質問したい点, 討論したい点を考えておくことが必要である。 このようにして各研究分野の現状や研究課題を把握する。 (5) 3年次に, 各自400字詰め原稿用紙に換算して30枚前後のゼミ論文を執筆し, 4年次には, 各自原稿用紙40〜50枚程度の卒業論文を執筆する (提出は, ワープロ文書がよい) 。
 4年の前期は, 臨床援助論について学習する。 前期中に卒論テーマを決定する。 夏休みと後期は, 卒業論文執筆に当てる。 夏休みは, 卒業論文のテーマに沿って, 文献・資料の収集, 実習などに当てる。 後期は, 卒論のテーマに沿って, 研究経過の報告を積み上げる。 この報告の積み重ねが卒論執筆につながる。

使用テキスト 担当教員からのメッセージ
  1. 竹中哲夫他編 『子ども虐待と援助−児童福祉施設・児童相談所のとりくみ』 ミネルヴァ書房, 2002年5月刊行予定
  2. 竹中哲夫 「児童虐待問題と児童相談所」 『総合社会福祉研究』 第18号, 2001年
  3. 竹中哲夫著 『現代児童相談所論』 三和書房, 2000年
  4. 竹中哲夫著 『児童福祉法改正論』 三和書房, 1998年 (第8章のみ)
 現場に就職すると, たえず報告書の類を書くことになります。 今から, 事例・実践報告, 小論文, 多少長い論文などを執筆することになれる必要があります。 書くことを学ぶためには, まず, 多数の論文を読むことが必要です。 論文を読む抵抗をなくすことがまず課題です。


(C) Copyright 2002 Nihon Fukushi University. all rights reserved.
本ホームページからの転載を禁じます。