CODE 121 担当教員 勅 使 千 鶴
テーマ 保育所, 幼稚園における保育実践の研究
―先人の実践に学び, 
      今日の保育実践の課題を考える―
著書・論文
研究課題等
著 書
『子どもの発達とあそびの指導』 (単著) ひとなる書房, 1999年
『幼児保育学の初歩』 (共著) 青木書店, 1992年
『保育・幼児教育体系3活動領域の指導』 (共編著) 旬報社, 1987年
論 文
「外国人の子どもの家庭と園との相互支援」 (共著) 日本保育学会 『保育学研究第32巻』 1994年

ゼミ概要
 今, 私たちのまわりには, 少子社会への危機感, 女性の社会進出と男女共同参画, さらには地域社会の変貌から保育所と幼稚園に子育て支援や保育の質の向上を要望する声が強く出されています。
 保育所と幼稚園では, 地域や家庭, 子どものおかれている状態の変貌を捉え, 保育の質の向上に目が向けられ, 保育者のあいだで保育実践の見直しが進められています。 保育所保育指針と幼稚園教育要領が改訂され, そのなかで, 保育所と幼稚園の活動では子どもにとってあそびが重要であることを引き続き強調しています。 また, 子どもの人間関係を密にする活動 (集団活動) も重視しています。 さらに, 知的な興味・関心を伸ばす活動を大切にすることが考えられています。 そして, 保育所や幼稚園の保育者を対象にした研修会では, 「指導のありかたの見直し」 が語られています。 保育所保育指針には, 保育所の役割として, 保育所に入所している子どもだけではなく, 地域で保育所を利用していない家庭への子育て支援の大切さも強調しています。
 こうした, 最近の保育界の潮流を敏感に受け止め, 先達の保育実践を大切にしながら, 本ゼミでは, わが国のさらにはヨーロッパをはじめ他の国々の実践を学びます。 言い換えれば, 子どもの発達を保障することと働く女性を含むすべての親の福祉を保障する視点で, 子育てのあり方を研究し, 保育の質の向上に貢献できる保育実践の検討を実践記録書, ビデオや教育現場のなまの実践を分析し, 追求したいと考えています。
 子育て支援のあり方と保育の質の向上の追求のために, 最近, 厚生労働省をはじめ行政を含めた保育関係者は, 4年制保育士養成大学出身の保育士 (=あなた) の力に期待を寄せています。
 以上のことから, 本ゼミでは, 保育者を志望している人や保育や乳幼児に関心を持つ皆さんを中心に, 社会の変化や子育てをめぐる状況と関連させながら, 保育実践について, 理論と実践の学習・研究をしたいと思います。

<ゼミの内容>は,
  1. 子育ての支援のあり方をふまえ, 保育所の役割を明らかにします。 保育論で学んだことを出発点とします。
  2. ビデオの記録と実践記録書, 保育現場の生の実践の分析。
  3. 保育実践における領域 (生活技術・生活習慣, あそび, 課業, 友達づくりの活動) の学習。
  4. 保育実践 (ビデオ, 実践書, 保育現場の生の実践) の検討をします。
<履修上の注意>
  1. 楽しくゼミを進めるために, 毎週のゼミには, 時間を守り, 出席のこと。 無断欠席をしないことです。
  2. 夏と春に全員出席で集中討論をするため合宿をします。 日程や費用などの用意は今から準備してください。
  3. ゼミを始める前 (3月下旬) に子どもの把握や子どもと仲良くなる方法のひとつとして腹話術の講習会をします。 全員が参加できる日程を決めるため, 前もって集まります。 掲示に注意してください。 後期の試験が終了したその日か次の日あたりに集まりをもつ予定です。 春休みに人形を作る (誰かに作ってもらうのもよし) ためです。
  4. あなたの周りの子ども (乳幼児, 小学生) と遊ぶなどをしてできるだけ接触をもってください。 春休みに保育所や学童保育所で手伝いをするのも一方法です。
  5. 参考文献に揚げた実践記録書は, 図書館にあります。 春休みなどに目を通されることを勧めます。
  6. テキストに揚げた 『保育実践をひらいた50年』 『子どもの発達とあそびの指導』 を読んでおいて下さい。

使用テキスト 担当教員からのメッセージ
宍戸健夫 『保育実践をひらいた50年』 (草土文化, 2000年) , 勅使千鶴 『子どもの発達とあそびの指導』 (ひとなる書房) その他, 参考文献に掲げた実践記録などを必要に応じて提示します。  保母や保父になりたい人, 保育関係のことや子どもに関心のある人, あなたの青春の1ページを保育の学習, 研究とゼミづくりで飾りませんか。 学習と実践に活かせる腹話術やパソコンなどでの実務力も養いましょう。 そして, ゼミ活動を通して, ゼミのみんなが仲良くなることが大切だと私は考えています。 どうぞ, よろしく。


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