1.内容・方法
障害のある人にとってのスポーツと障害のない人にとってのそれの相違点は何でしょうか?基本的には両者に違いはありません。 ただ, 障害のある人にとって運動やスポーツは 「命」 や 「人間らしさ」 というものにより近いところで展開されるといえるでしょう。 もう一言付け加えるならば, 障害のない人と比べて, スポーツや運動のチャンスが様々な理由によって制限されているということがあります。 このことは, 障害者スポーツの世界に, 解決されずに残された問題が山積しており, 障害のある人がスポーツを通して自己実現できる可能性があるにもかかわらず, それを阻む要因が残されたままであることを意味しています。 これらの問題が解決されることが急務です。 障害があろうとなかろうとスポーツを楽しみ, これを通して自己実現, 自己表現ができる社会っていいと思いませんか?このゼミではまず障害のある人がスポーツ参加できる社会的条件について考え, それを実現していくことを目的としています。
障害者スポーツには様々な人が様々な願いを持って関わり, サポートしています。 子どもの成長を願って子どもたちの活動をサポートし, それを自らの楽しみとしている親などは, その代表的な人たちでしょう。 そのほかにも選手の活躍を願ってチームに関わっているボランティアのマネージャーやコーチ, メディカル面をサポートするスタッフ, 車いす等用具をサポートしているメカニックの人たちなどたくさんの人たちがいます。
このゼミの二つめの目的は障害者スポーツの現場に実際に入り, そうした人々の思いや願い, 役割, 苦労を知ってもらうことです。 これらの目的を達成するために, 次の三つをゼミ活動の柱とします。
- 障害者スポーツに関する学習−障害についての基本的知識, スポーツ指導に関する基本的知識を学びます。 また, 障害者スポーツの場で日々生起している様々な問題点を明らかにし, 改善策を考えていきます。
- 障害者スポーツに関わる実習−ゼミとして,あるいは個人で何らかの形(ボランティアなど)で障害者スポーツに関わり, 当事者と話をしたり, 観察したり, お手伝いをしたりする中から障害者スポーツに関わる人々の思いや願いを知り, その実現に向けての方法を考え, 実践していきます。
- 障害者スポーツの実践−障害者スポーツを実際に自分たちで実践し, 「体に応じたスポーツ」 「発達に応じたスポーツ」 について考え創っていきます。
これらを通して, 障害者スポーツに関する知識を得ることはもちろんですが, 自分から動くということ, 物事を柔軟に考え, 発想する力, 討論する力, 資料等を簡潔にまとめ, プレゼンテーションする力をつけてもらいたいと思います。
書く力
・レポート・卒論・レジュメ等
話す力 (プレゼンテーション)
・自己紹介・研究発表・討論
考える力
・柔軟な発想・構成力・頭の中の整理
行動力
・ボランティア・イベント開催・その他
その他
・合宿・コンパ・独自企画等
2.履修上の注意
- ゼミにおける教員は鉄道のレールのポイントのようなものだと思っています。 大きく道をそれないよう (少々の道草や遠まわりは気にしません) アドバイスはしますが, 前に進んでいく原動力は皆さん自身です。 主体的, 積極的なゼミ参加を希望します。
- ゼミ合宿は全員参加を原則とします。
- 障害者スポーツ大会や, チーム, グループにおいてボランティア等を行うことになるのでそのつもりでいてください。 来年度は名古屋市で活動している障害児および障害者のグループに関わる予定です。
- 様々な企画を学生中心で行なってもらいます。 これまでの企画例 「新 3 年生集中講義」 「中学生に障害者スポーツ指導」 「知的障害者施設海水浴ボランティア」 「障害者スポーツとマスコミ現場見学 (予定)」 「三大学合同研究発表会 (予定)」 など
- 履修が確定した学生は, 1 月末 (期末試験終了前後) に 1 回目のミーティングを行いますので, 試験期間中の掲示に注意しておいてください。
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