地域包括ケアシステムの構築が言われて久しい。ただ、この「地域包括ケア」の言葉のみが先行し、これを端的に言い表す概念や定義も、様々な主体によって捉え方が異なり、抽象的で分かりにくいといった印象が伝播した。そのことが現在の現場レベルでの混乱を生みだしている要因の1つと言える。
 おそらく、地域包括ケアシステムの始まりは、「在宅の限界点を引き上げる事」が主目的であり、そのための仕組み作りの総体を表しているものであろう。
 ここにきて、ようやく、その具体的な方法として、医療と介護の連携、新たな居住サービス体系として、グループホームや有料老人ホームに加え「サービス付き高齢者住宅」の創設、さらには、在宅と介護保険施設や病院の入所・入院から退所・退院のシームレスな循環が可能となるような政策上の誘導、フォーマル・インフォーマルサービスを包含する地域づくりの推奨など、新しい動きが始まって来ている。
 本研究セミナーでは、「地域包括ケアシステム」の概念化を図り、具体的な方法論を、分科会にてより詳細に検討し、我が国におけるケアマネジメントの新しいステージの提示を試みる。 地域包括ケアは総力戦である。セミナー主催者としては、より多くの関係者の参画を強く求めている。

日時 : 2013年1214日(土)13:00〜17:00 / 15日(日)9:30〜16:00
場所 : 日本福祉大学 名古屋キャンパス 北館
主催 : 日本福祉大学福祉社会開発研究所
後援 : 日本福祉大学同窓会

※日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー更新の際、 研修ポイントが5ポイントつきます。

開催を終了しました

【12月14日(土)】 受付:12:30〜 開始:13:00 終了:17:00

基調講演

「地域包括ケアシステムとケアマネジメント」

  白澤 政和 桜美林大学大学院教授、日本ケアマネジメント学会会長
パネル
ディスカッション

「地域包括ケアシステムとケアマネジメントの展開と課題」

パネリスト: 植田 俊幸 国立病院機構鳥取医療センター
鳥取県立精神保健福祉センター医長
  遠藤 征也 厚生労働省老健局振興課
  奥田 亜由子 日本福祉大学地域ケア研究推進センター研究員
コメンテーター: 白澤 政和 桜美林大学大学院教授、
日本ケアマネジメント学会会長
  コーディネーター 平野 隆之 日本福祉大学福祉社会開発研究所所長

【12月15日(日)】 受付:9:00〜  開始:9:30  終了:16:00

分科会

「アセスメントの根拠を持ったケアプラン作成方法を学ぶ
   〜いいなりケアプランと言われない、

    ケアマネジメントプロセスを明らかにしたケアプランを作ろう!〜

講師: 高砂 裕子 日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャーの会会長

「多職種チームのためのケア会議の手法
   〜野中方式のケア会議の技術を学ぶ〜」

講師: 上原 久 社会福祉法人聖隷福祉事業団

「地域精神保健をすすめるケアマネジメント
   〜積極的訪問チームAOTの取組〜(仮称)」

講師: 植田 俊幸 国立病院機構鳥取医療センター
鳥取県立精神保健福祉センター医長

「地域連携で実現する在宅看取り
   〜THPの重要性について考える〜」

講師: 小笠原 文雄 医療法人聖徳会小笠原内科院長
日本在宅ホスピス協会会長

(敬称略)

※タイトルなど変更となる可能性がありますこと予めご了承ください。

12月15日(日)分科会 − 会場:日本福祉大学 名古屋キャンパス北館
                  時間:9:30〜15:00 全体会:15:00〜16:00

A分科会

「アセスメントの根拠を持ったケアプラン作成方法を学ぶ
〜いいなりケアプランと言われない、ケアマネジメントプロセスを明らかにしたケアプランを作ろう!〜

講師: 高砂 裕子

日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャー会長

神奈川県介護支援専門員協会顧問
南区医師協会居宅介護支援センター管理者

 ケアマネジャーが作成するケアプランは経験知と自信によって「何となくケアプラン」ができあがってしまっているのではないでしょうか。
 厚生労働省はケアプランがアセスメントからニーズを導きだすまでの思考過程の重要性について検討を実施しています。ケアマネジャーは根拠を持ってケアプランを立案し、成果を評価していくことができなければ、個人としても職能としてもレベルの向上は望めません。
 神奈川県介護支援専門員協会作成の一歩先に行く取り組みとしての「アセスメント総括表(課題のまとめと相談記録)」の使用方法を実際の様式を用いて、ケアマネジメントプロセスを明らかにしていく方法を学びます。
 運がよければ、来春発行予定のケアマネジメントマニュアルの改訂、新たな様式のご提示をお目にかかれるかも知れません。

B分科会

「多職種チームのためのケア会議の手法
〜野中方式のケア会議の技術を学ぶ〜」

講師: 上原 久

社会福祉法人聖隷福祉事業団 障害者支援施設信生寮
就労支援施設
地域活動支援センター
相談支援事業所施設長

 地域包括ケアシステムを利用者が資源として活用し、地域での生活をすすめていく上で欠かせないのが多職種チームでの連携と協働になります。ケアマネジメントの展開点となるのがケア会議。ケアマネジャーは、日頃からサービス担当者会議は開催していますが、支援困難事例や多問題世帯となると、サービス担当者会議では十分な解決方法を見出せない現状があるのではないでしょうか。
 この分科会では、「野中方式」を用いたケア会議を行い、その理論と技術を体験的に学びます。職場や地域で実践できるように、プロセスを丁寧に進め、「野中方式」によるケア会議の手法を学びます。

C分科会

「地域精神保健をすすめるケアマネジメント
〜積極的訪問チームAOTの取り組み〜」

講師: 植田 俊幸 国立病院機構鳥取医療センター
鳥取県立精神保健福祉センター医長

 地域におけるケアマネジメントの実践は、アメリカの精神障害をもつ人々の地域生活支援の技法として編み出されたもので、高齢者支援のみに限定されるものではありません。精神疾患の罹患率は人口の20%といわれ、家族5人なら1人が該当することになり、精神疾患と無縁でいられる人はほとんどいない計算となります。しかし、現状はケアマネジャーや相談支援専門員の中にも苦手意識を口にすることが多い疾患でもあります。
 この分科会では、鳥取県で地域精神保健を先進的にすすめる『積極的訪問チーム〜AOTの取り組み〜』を紹介し、このケースをもとに地域精神保健の視点からの実践的事例検討を行います。

D分科会

「地域連携で実現する在宅看取り
〜THPの重要性について考える〜」

講師: 小笠原 文雄 医療法人聖徳会小笠原内科院長
日本在宅ホスピス協会会長

 自宅で最期を迎えたい−在宅医療を行っている患者さんのほとんどはそう語ります。その想いを叶えるために重要なのはチーム医療です。医療・福祉の多職種連携はもちろん、時にはボランティア・近所の人などの協力を得た地域連携が必要です。『上野千鶴子が聞く〜小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』を読んでもらえばわかると思いますが、こうした地域連携を成功させるにはチームが上手く機能するようにまとめあげるキーパーソン、トータルヘルスプランナー(THP)の存在が不可欠となっています。THPには家族の身近に存在し、幅広い知識を持っているケアマネジャー資格を有する訪問看護師が最もふさわしいでしょう。
 本分科会では、午前は在宅での看取りをテーマにした講義と演習、午後から、講義を通して、チームで行う在宅看取りを実現するためのTHPの重要性・役割を考えます。

参加費

2日間通し 5,000円/1日 3,000円 (受講テキスト代を含みます。)

お支払い済みの参加費は、開催中止の場合以外は払い戻しいたしません。
セミナー終了後、後日報告書を編集発行する予定です。(別途有料)

申し込み方法

1.参加申込書での申し込み

参加申込書に必要事項をご記入の上、事務局まで送付してください。(FAX可)

受付期限:12月6日(金)

開催を終了しました

事務局住所
〒470‐3295 愛知県知多郡美浜町奥田
日本福祉大学研究課 ケアマネジメント研究セミナー事務局 宛
          (TEL:090‐4855‐3590/FAX:0569‐87‐3973)

2.本学HPからの申し込み

下記参加申込フォームよりお申し込みください。

開催を終了しました

お知らせ

*以下、ご了承のうえお申込みください。

お問い合わせ 平日10時〜17時

日本福祉大学研究課
(ケアマネジメント研究セミナー事務局)

〒470‐3295 愛知県知多郡美浜町奥田
TEL:090-4855-3590/FAX:0569-87-3973
E-mail:care_seminar@ml.n-fukushi.ac.jp

会場案内図

日本福祉大学 名古屋キャンパス
名古屋市中区千代田5-22-35
※会場に駐車場はありません。公共交通機関をご利用ください。

名古屋キャンパスマップ
  • JR「名古屋」駅より中央本線「中津川」行きに乗車「鶴舞」駅下車、徒歩2分
  • JR「金山」駅より中央本線「高蔵寺」行きに乗車「鶴舞」駅下車、徒歩2分
  • 地下鉄「名古屋」駅より名古屋市営地下鉄東山線「伏見」駅乗換、名古屋市営地下鉄鶴舞線「鶴舞」駅下車、徒歩2分

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