第18回日本福祉大学ケアマネジメント研究セミナー
利用者にとって『価値あるケアマネジメント』とは
~次世代に求められるケアマネジャー像~

 日本の介護保険制度の画期的な点の1つがケアマネジメントを「仕組み」として位置づけたことにあります。しかし20年を経て大きな転換点にあるのも事実です。地域包括ケアシステムの下、支援対象が高齢利用者だけでなく障害者や生活困窮者、ヤングケアラーなどに広がり、重層的支援や共生型支援などを位置づける方向へ向かっています。法定研修や主任介護支援専門員の定着、特定事業所の新設などで質の向上が図られる一方で、ICT技術やAIなどを使ったケアマネジメントの「効率化と生産性向上」への偏重が著しく進んでいます。介護保険制度が持続可能性や財政の健全化、コンプライアンスの名の下、保険者にとっての価値ばかりが重視される傾向になっていないか。本来、ケアマネジメントは利用者主体と自立(自律)支援がコンセプトです。利用者にとって果たして「価値あるケアマネジメント」が実践されているか。

 第9期介護保険事業計画策定にあたり、2025年を視野に入れた「利用者本位」に立った次世代の「ケアマネジメントの価値」を本研究セミナーで考えます。

受付終了いたしました

日時
2023年1月29日(日)
10:00~16:10
開催方法

ハイフレックス(対面とオンラインの併用)形式

※対面またはオンライン参加のいずれかをご選択いただきます

定員 200名

  • オンライン参加 150名

    ※WEB会議システムZoomで参加いただきます

  • 対面参加 50名

    ※日本福祉大学名古屋キャンパス北館8階

主催
日本福祉大学福祉社会開発研究所・日本福祉大学ケアマネジメント技術研究会

*当セミナーご参加の方には日本ケアマネジメント学会の認定ケアマネージャーの更新要件ポイント(2単位)を付与します。

セミナー プログラム

開会10:00~10:10

総合司会:奥田 亜由子
(日本福祉大学ケアマネジメント技術研究会)

基調講演10:10~12:00

「利用者主体のケアマネジメントとは」

講師:渡部 律子 (日本女子大学名誉教授)
<オンライン参加>

 ケアマネジャーが利用者やその家族の置かれている固有の状況を理解しようとすることで(人間や社会環境理解のための知識を深めること、面接力や包括的なアセスメント力を用いるなど)、利用者や家族が自分のこととしてケアマネジメントサービスを利用し、モチベーションが高まることの意義を再確認することができます。ケアマネジャーが自らのミッション、人権意識、利用者主体をどのようにして、利用者に伝えることができるのかを、具体的な実践事例も交えてその方法を考えていきます。実践と実践を支える基盤となる知識やスキルとの関係性についても学びを深めていきます。

シンポジウム13:00~15:20

「 利用者にとって『価値あるケアマネジャー』のあり方
~新カリキュラムと求められるケアマネジャー像を考える~」

 この20年間でケアマネジャーは「ケアマネ」と通称されるほど定着しました。しかしケアマネジメントが持つ制度的価値と利用者価値が十分認知されているわけではないのが現実です。さらに、ほぼ3年にわたるコロナ禍により、利用者や家族の生活とケアマネジメントに大きな制限が加わり、本来求められるケアマネジャーの相談支援とケアマネジメントを質的に低下・変容させてしまったのではないでしょうか。しかし一方でケアマネジメントの「新たな可能性」(オンラインを活用した遠隔でも参加できる会議や調整作業など)も見えてきました。
 厚生労働省はケアマネジメントの質的向上と生産性向上をめざし、法定研修に「新カリキュラム」(適切なケアマネジメント)と科学的介護の名の下に「LIFEの導入」を図り、ケアプラン点検も着々と進められています。
 これらは利用者が求めるケアマネジャーの在り方にどこまでシンクロしているのでしょうか。まさに団塊高齢者が75歳以上となる2025年を視野に、原点回帰ともいえる‟利用者にとって価値のあるケアマネジャー” ‟次世代のケアマネジャーの在り方”を、多様な立場で活躍されるシンポジストとともに考えます。

利用者の立場から

鈴木 森夫
(公益社団法人 認知症の人と家族の会 代表理事)

法定研修 新カリキュラム創設の立場から

斎木 大
(日本総合研究所 創発戦略センターシニアマネジャー)

ケアマネジャーの立場から

茂古沼 江里
(日本ケアマネジメント学会 認定ケアマネジャーの会 副会長)

ケアマネジメント環境を総合的に把握する立場から

高室 成幸 (ケアタウン総合研究所 代表)

コーディネーター 荒木 篤 (日本福祉大学ケアマネジメント技術研究会)

特別講演15:30~16:00

「ケアマネジメントの本質と未来」

講師:白澤 政和 (日本福祉大学客員教授・国際医療福祉大学大学院教授・日本ケアマネジメント学会会長)

 ケアマネジメントは利用者と社会資源をコーディネートすることが核ですが、その基本には何があるのかを利用者や社会資源の捉え方を通して再度点検していきます。そこから、ケアマネジャーが自らアップグレードしていくことについて、ジュネラリストとスペシャリストのケアマネジメントの視点から整理していきます。

閉会16:00-16:10

鈴木 岸子 (日本福祉大学ケアマネジメント技術研究会)

参加について

参加料金

3,000円

申込締切

2023年1月16日(月)

受付終了いたしました

入金締切

2023年1月19日(木)

※個人情報の取り扱いについて:申し込み者の個人情報は、本セミナーの運営および本学が実施する各種講座などの案内に利用させていただくことがあります。その他の目的には一切使用いたしません。

問い合わせ

日本福祉大学研究課
(ケアマネジメント研究セミナー事務局)

Email: care_seminar@ml.n-fukushi.ac.jp