対人支援職は、人々の生活や尊厳を支える専門職である一方で、支援者自身の健康課題が生じやすい職種でもあります。特に社会福祉領域においては、複雑化・多様化するニーズへの対応、慢性的な人手不足、感情労働の蓄積などから、支援者自身の健康やWell-beingが損なわれる状況が指摘されてきました。
こうした課題は、個々の支援者の努力や適応に委ねられるべきものではなく、支援の質や継続性を左右する重要な実践課題です。しかしながら「支援する側をいかに支えるか」は後回しになりがちです。本企画では、支援者のセルフケアやスーパービジョン、身体的負担を軽減するテクノロジーなどを取り上げ、心身の健康やWell-beingの向上について皆様と共に考えていきたいと思います。
支援者の健康・Well-beingを高めることは、支援の質の向上のみならず、持続可能な支援体制の構築にもつながります。本企画がその一助となれば幸いです。皆様のご参加をお待ちしております。
日時 |
2026年 7月25日(土) 13:00~16:30(12:30受付開始) 7月26日(日) 10:00~15:30(9:30受付開始) |
|---|---|
会場 |
日本福祉大学名古屋キャンパス (名古屋市中区千代田5-22-35) (一部の企画を除きオンライン会議システムZoom との併用) |
主催 |
日本福祉大学福祉社会開発研究所 |
後援 |
日本福祉大学同窓会 |
【1日目】7月25日(土) ※オンライン参加可
基調講演 13:15~14:15
「支える人-支えられる人」という関係から
「支えあう人たち」という関係のしくみの創造を
木全 和巳
(日本福祉大学 社会福祉学部・教授)
貧困が増大して格差が広がる社会状況の中で、「生きづらさ」を抱える当事者の支援を実践するケアワーカーやソーシャルワーカーも「燃え尽き」などの支援の困難を抱えがちです。こうした状況の中、「支援する側をいかに支えるか」という発想も大切ですが、「支える―支えられる」という「する-される」関係ではなく、「支え合う」関係という「あう」の視点から、「当事者」たちと共に語り合い、共に学び合いつつ、困難をもたらすからくりに気づき、「共事者」として共に「声(voice)」を上げて、自分と他者と社会を共に創造していくソーシャルワーク実践の考え方について、「voice」には「態」の意味があることを押さえつつ、「中動態」の意義を踏まえ、お話ができればと思います。
シンポジウムⅠ 14:25~15:25
ケアする人のケア - セルフケアとスーパービジョンをめぐって -
| シンポジスト | 三島亜紀子 | (立命館大学大学院・非常勤講師、絵本作家) |
| 山口みほ | (日本福祉大学 社会福祉学部・准教授) | |
| コーディネーター | 大谷京子 | (日本福祉大学 社会福祉学部・教授) |
対人援助職は、他者の生活や人生に深く関わる専門職です。その実践は倫理的ジレンマが伴う感情労働です。近年、「セルフケア」の重要性が認知されるようになりましたが、それが「自己管理」の問題として個人に負わされていないでしょうか。本シンポジウムでは、セルフケア概念を批判的に検討し、スーパービジョンがどのような役割を果たせるのかを考えます。援助職自身の「ケアされる権利」や、支援を支える環境づくりについて、考える機会にしたいと考えています。
シンポジウムⅡ 15:30~16:30
テクノロジーを用いた支援者の健康支援
| シンポジスト | 冨田川智志 | (日本福祉大学 健康科学部・講師) |
| 加藤健治 | (国立長寿医療研究センターロボット臨床評価研究室・特任主任研究員/名城大学理工学部メカトロニクス工学科・准教授) | |
| コーディネーター | 横山由香里 | (日本福祉大学 社会福祉学部・准教授・日本福祉大学福祉社会開発研究所長) |
介護・福祉現場では、支援者自身の心身の健康維持が重要な課題となっています。本シンポジウムでは、テクノロジーを活用した支援者の健康支援の可能性を考えます。現場で生じている課題と技術研究の接点を探り、支援者がより安心して働き続けられる環境づくりについて理解を深める機会にできればと考えています。
【2日目】7月26日(日) *分科会により定員・参加方法(対面・オンライン)が異なります
分科会テーマ「研究力を磨こう」
A分科会
定員30名(対面+オンライン)
中間マネジャーは研究者との共同研究を実践現場にどう還元するのか
- 「評価活動」の活用法
平野 隆之(日本福祉大学 名誉教授、客員教授、
福祉社会開発研究所 研究フェロー)
吉村 輝彦(日本福祉大学国際学部 教授)
国の新たな政策をどのように地域の実情に適合させ、政策運用を図るのか。そうした自由裁量の正当性をめぐって、自治体行政や受託事業法人の中間マネジャーは根拠のある判断が求められます。 その判断や予測(仮説)において、研究者との共同研究を選択する機会も増え、研究者主導でなく現場への還元を主体的に目指す「現場研究力」が必要となってきています。同時にそれは運用実績における評価の説明責任としても必要な「現場研究力」となります。中間マネジャーに求められる「研究者との共同研究」「現場への還元」「自己評価の組織化」をめぐる「現場研究力」を実際の試みや成果をもとに学びます。
| 報告者 | 長坂匡哲 | (春日井市地域共生推進課長) |
| 報告者 | 大戸優子 | (千葉県中核地域生活支援センターいちはら福祉ネット センター長) |
B分科会
定員30名(対面参加のみ)
「人と人との相互作用」の現象特性をプロセス的に明らかにする質的研究
-修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を学ぶ
塩満卓(日本福祉大学 質的研究会)
日本福祉大学質的研究会は、毎年、質的研究を適正に行えるよう「質的研究事始め」、「夏季大学院公開ゼミナール分科会」「継続研修会」の3つの研修を行っています。5月の「事始め」では質的研究の基礎の学習と半構造化インタビューの演習を行いました。本分科会では、質的研究とは何かを理解したうえで、木下康仁先生がグレーザーとストラウスのオリジナル版のGTAとストラウスとコービンが開発したストラウス・コービン版のGTAを修正し新たに考案した修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)の研究法を学びます。午後は、分析ワークシートを用いた概念生成を演習形式で実施します。データ分析の演習は、本分科会が最初になりますので「事始め」に不参加だった方も一から学べるものになっています。
| 講師 | 山内 哲也 | (日本福祉大学実務家教員、社会福祉法人武蔵野会 事業企画室長) |
| 塩満 卓 | (佛教大学 社会福祉学部・教授) | |
| 篠原 直樹 | (東海大学健康学部・助教) |
ご参加について
参加料金 ※対面参加・オンライン参加ともに同料金
一般 |
5,000 円 |
本学 在院生・在学生 |
2,500 円 |
申し込み方法
ご希望の申込フォームからお申し込みください。
※参加をご希望される分科会ごとに申込フォームが異なります。
なお、対面での参加をご希望される方は、先着順となりますので対面参加をご希望いただいても、オンラインでの参加をお願いすることがございます。
申し込み締切 ※定員に達し次第、申し込みを締め切ります
2026年7月15日(水)
入金期限
2026年7月17日(金) ※振込口座等の詳細は申し込み後にメールで連絡します
個人情報の取り扱いについて
個人情報は、本ゼミナールの運営および本学が実施する各種講座などの案内に利用させていただくことがあります。その他の目的には一切使用いたしません。
対面会場のご案内
日本福祉大学名古屋キャンパス
【アクセス】JRまたは地下鉄「鶴舞」2番出口より徒歩約5分
(〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田5-22-35)
※会場に駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。
・全企画(オンライン参加を除く)の会場は名古屋キャンパスです
・オンライン参加の方への受講用Zoom情報の送付は、開催数日前に行う予定です
問い合わせ先
日本福祉大学 研究課
(夏季大学院公開ゼミナール事務局)
Email: kakidai_entry@ml.n-fukushi.ac.jp
(お問い合わせは上記メールアドレスまで)
〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田5-22-35
