7／26（土）：名古屋キャンパス北館8階
−シンポジウム・基調講演・研究者の語り

シンポジウム 10：30−12：15	「生活困窮者支援研究に関わる課題」

	田中千枝子	日本福祉大学社会福祉学部教授
	平野　 隆之	日本福祉大学社会福祉学部教授

　生活困窮者支援法が来春施行されることに伴い、都道府県・市区町村単位で、モデル事業を中心に、現在様々な準備と方法の検討がなされています。講演会やシンポジウムが各所で開かれ、様々な切り口で生活困窮の実態と支援の意味づけや方法等が検討されています。本セミナーでは「生活困窮者支援」そのものを研究のまな板にのせ、生活困窮の定義や範囲を再考し、支援の方法論に関する課題の抽出、支援システムの形成等の理論化に向けた検討の機会にします。社会福祉研究者という立場で、シンポジストが様々な研究手法をもって試みた研究成果を報告し、生活困窮者支援を科学する方法と課題を提示します。

基調講演 13：15−15：00	「社会福祉政策の研究的見方 　　　　−生活困窮者自立支援法を題材に−」

岩田　 正美

日本女子大学人間社会学部教授

　具体的な社会福祉政策は、いったいどのように作られていくのか？「生活困窮者自立支援法」を素材にいくつかの研究的見方を提示します。生活困窮者自立支援の政策的な位置づけ、対象とする生活問題の設定、各種プログラムの役割、その運営組織などの仕組みがどの政策的枠組みと関連しているのか、検討してみたい。

研究者の語り 15：20−17：00	「私の行ってきた研究とその方法 　　　　−歴史から社会福祉を捉える−」

永岡　 正己

日本福祉大学社会福祉学部教授

　社会福祉は歴史的存在であると言われます。歴史から社会福祉を捉えることによって、その政策と実践、公的なものとボランタリーなものの全体像を明らかにすることができます。どのような状況下で、どのような要因によって、生きることのさまざまな困難に対して社会福祉が展開してきたか。また、そこにどのような思想や理論が形成されてきたか。社会福祉史研究はそうした意味を、歴史資料を掘り起しながら明らかにして、今日の課題に応えようとします。私の研究の経験を通して、社会福祉史研究が担う役割とその方法についてお話したいと思います。

7/27（日）：名古屋キャンパス北館 5･6･7･8階／南館401
−分科会

9:30−16:00

Ａ「量的研究（調査）法への誘い−仮説の立て方と検証の仕方を学ぶ」　　　

	末盛　 　 慶	日本福祉大学社会福祉学部准教授
	小沼　 聖治	日本福祉大学福祉経営学部助教

　本分科会では量的調査について学びます。具体的には、仮説の立て方と仮説の検証の仕方をわかりやすく説明します。午前は仮説の立て方とそれに応じた質問項目の設定、午後は主に仮説の検証の仕方について学んでいきます。
　今回は、本学大学院で量的研究を用いて修士論文を執筆した小沼聖治氏をゲストスピーカーとしてお招きします。どのように仮説を作り、どのように質問紙を作成し、どのような分析手法で仮説を検証したのか、そのプロセスを体験的に語っていただきます。量的研究の進め方や仮説の設定や検証の仕方についてご関心をある方を、心よりお待ちしております（なお、7月の夏季大学院ゼミ終了後も量的調査に関する企画を実施する予定です）。

Ｂ 「質的研究（調査）法への誘い−質的研究で現場実践のリアルが見えてくる−」

※定員になりましたので、申し込みを終了しました。

	田中千枝子	日本福祉大学社会福祉学部教授
	山内　 哲也	社会福祉法人武蔵野会本部次長 八王子実習所施設長
	鈴木　 俊文	静岡県立大学短期大学部講師

　本分科会では、日本福祉大学大学院質的研究会がこれまで蓄積してきた現場研究事例と、それらを束ねた研究手法を解説します。具体的には本研究会が出版した『介護福祉・社会福祉の質的研究法−実践者のための現場研究（中央法規）』を活用し、質的研究（調査）を用いた現場研究の成り立ちを基礎的な枠組み・視点から解説していきます。本の内容に沿って話が進みますので、本の購入をお願いいたします。さらに、この分科会では今年度も後続企画として、より具体的な質的研究（調査）法を実際に事例を活用して体験できる後続研修会を予定しています。各テーブルに1名のチューターが付き、皆さんの理解が進むように、質的研究（調査）の醍醐味が味わえるように、丁寧に進めていきます。

後続研修会	：	「第3回質的研究研修会『質的研究を体験する−ＴＥＭ（複線経路・等至性モデル）を通じて−』
日時	：	11月22・23日／日本福祉大学名古屋キャンパス

Ｃ 「体験的に学ぶスーパービジョン」

	山口　 みほ	日本福祉大学社会福祉学部准教授
	野田　 智子	ＪＡ愛知厚生連江南厚生病院、 尾張スーパービジョン研究会

　本分科会では、ソーシャルワーク・スーパービジョンの基礎を模擬セッションを通して体験的に学びます。前半はスーパービジョンの基本についての講義と金魚鉢法等のワークを行います。後半は、参加者同士で模擬的にスーパーバイジー役・スーパーバイザー役を体験して頂くことを通して、さらに学びを深めます。
　現場での後進育成や管理業務に役立てられるよう、医療機関のソーシャルワーカーやケアマネジャー等のスーパービジョンに身近な地域や職場内で取り組んできた「ソーシャルワーク・サポートセンター名古屋」と「尾張スーパービジョン研究会」の実践と研究の成果を、参加者の皆さんにわかりやすくお伝えしたいと考えています。

Ｄ「ソーシャルワークアセスメントプロセス−スキル向上のための研修プログラム−」

	大谷　 京子	日本福祉大学社会福祉学部准教授
	吉田みゆき	同朋大学社会福祉学部准教授
	寺澤　 法弘	日本福祉大学社会福祉学部助教

　アセスメントは、ソーシャルワークの要と重視されながら、実践的な教育や技術の伝達が難しいプロセスです。そこで私たちは、初任者やエキスパートPSWを調査協力者とした質的調査を複数行い、アセスメントプロセスで失敗しやすいポイントや、活用されているスキルを抽出してきました。その結果を基に、現任ソーシャルワーカーのアセスメントスキル向上のための6回シリーズの研修プログラムを開発し、現在、その試行段階にあります。
　分科会の前半では、エキスパート調査を中心に、研究の全体像と今後の方向をお伝えします。後半では、実際に研修プログラムの一部を体験していただきながら、プログラムの効率と効果を上げるためのプロセスにご参加いただければと思っています。

Ｅ「生活困窮者自立支援−モデル事業の到達点と実施に向けた課題−」

※定員になりましたので、申し込みを終了しました。

	山田壮志郎	日本福祉大学社会福祉学部准教授
	山田　 　 宰	半田市福祉部地域福祉課課長
	河合喜久子	東近江市健康福祉こども部くらし相談支援グループ主幹
	一見　 俊介	伊賀市社会福祉協議会地域福祉課就労支援係長

　生活困窮者自立支援法の施行が来年4月に迫っています。全国の福祉事務所設置自治体すべてに相談窓口の設置が義務付けられることになっており、その他の支援メニューの整備も含めた準備に各自治体が追われています。本法では、生活困窮者のニーズを的確にキャッチし、支援メニューにつなげていく力が地域に求められています。
　本分科会では、昨年度からモデル事業に取り組んでいる地域や、モデル事業は実施していないものの来年4月に向けて準備を進めている地域の担当者に現状を報告していただき、実施に向けた課題を参加者とともに共有します。

16:00−17:00

分科会まとめ

　分科会終了後会場を北館8階に移し、各分科会の成果を確認します。