Viewpoint

 今朝、車を運転していたら、突然、この原稿のことが頭を過ぎった。
 「しまった」というか、「やってしまった」という落ち着かない気分に なり、頼まれたTさんの顔が浮かんできた。頼まれたのは先週の会議の日、 つまり木曜日。そうすると〆切は、昨日???・・・思い出したいわけでは なかったが、一連の出来事の記憶がよみがえってきた。原稿は存在して いないので、記憶の中ではもやもやしていたが、それは落ち着かない気分 そのものであった。
 新しいことが記憶できなくなった青年の日々を追ったテレビ番組を見た ことがある。毎日の生活で起きた出来事を録音し、それを聴いて日記を つける。今ならもっと便利に管理できるであろうが、保存されていた 録音テープと手帳の量に圧倒された。ふだんは見ることのない、日々の 記憶を見せられているような気がした。膨大な記憶の中に埋もれてしまう 出来事。記憶を積み重ねることができない人、これまでの記憶が壊れて いく人。そうそう、携帯電話に記憶を保存していると思わせる若い人も いる。・・・反省しつつ、記憶について考えた1日であった。(K)

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