研究報告

高齢者の色彩認識特性の実験心理学的分析 研究代表者:中村 信次
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4. まとめ

  色光照明をシミュレートした料理写真に対する印象評価実験を実施し、@特定の味覚成分の予期に特定の視覚印象が関連しているのではないこと、A色光照明が味覚関連評価得点に 特異な効果を及ぼすこと、などを明らかにした.今後は、より多様な刺激状況における評価実験を行うとともに、被験者の年齢層等、被験者要因も考慮に入れた分析を行うこととする.

 

今後の計画

  次年度は、研究計画の最終年度として、基本的にはこれまでの取り組みを引き継ぎ、さまざまな年代の被験者における色認知特性と色嗜好の分析を進め、両者の関係を記述可能な理論的枠組みの構築を試みる.その際、年代群ごとの総体としての変化ではなく、個々の被験者内での色認知特性を包括的に理解することによって、これまで個人差が大きく、年代特性として明確にすることの困難であった高齢者の色認知・嗜好特性を、高齢者向け商品の設計指針として利用可能なレベルで明らかとすることを目指す.
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図3 色光照明条件ごとの視覚評価因子得点
図3 色光照明条件ごとの視覚評価因子得点

Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University