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最近テレビなどで,「お年寄りにも使いやすい」をうたい文句にした携帯電話のCMを頻繁に見かけます.機能やインターフェースをシンプルにすることによって,使いやすさを向上させるという方略をとっているようです.人づてに聞くところによると,売り上げも結構好調な様です.このCMを見て,前の職場の先輩に言われた話を思い出しました.「『高齢者向け』を前面に出した商品は決して売れない」「機能性を犠牲にして使いやすさを前面に出しても,消費者には商品魅力は伝わらない」
 時代がかわって消費者の認識が進化(?)してきたのかもしれません.お客様がかわれば,当然提供すべき商品もかわるべきです.ただ古いタイプの技術者に属する私としては,何とか機能性を損ねずに,お年寄りでも子供でも,誰でもが使いやすい機器を開発したいと思ってしまうのですが….
 以前は「環境」と「安全」では飯は食えないとよく言われていましたが,今はその2つがさまざまな分野での商品開発の主流になってしまっています.絶えず変化する社会環境や消費者のニーズを的確に捉え,それに適合した(もしくはそれを先導する)技術開発を行っていく.技術開発の王道です.書けば簡単なのですが,実現するには不断の努力が必要になります.(N)

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