災害弱者向け避難支援情報システム

岐阜県 瑞穂市で実証実験



 2004年度,研究所では後藤順久教授を研究代表者として,岐阜県のソフトピアジャパン,NTTドコモ東海と「災害弱者向け避難支援情報システムの研究開発」をテーマに共同研究をすすめてきました.
1月27日,岐阜県の瑞穂市総合センターにおいて,この研究の実証実験が行われました.
この実験は,災害発生直後,災害弱者が自宅(職場・学校)から避難所までの第一次避難を安全かつ最適に実行するための,支援ツールの有効性を確認することを目的として行われました.被験者の対象としては,聴覚障害者,車椅子利用者として実施されました.
 実験には,本学の福祉経営学部の学生を中心に社会福祉学部,情報社会科学部の学生も参加しました.この実験参加の学生たちは,災害の仮設本部要員と障害者とその介添役などの役割を分担しました.

 

 実験は,震度6の地震が発生したとの想定ですすめられ,自宅や出先にいる聴覚障害者,車椅子利用の障害者らが災害本部からのメールで地震発生の連絡を受け,安否や援助,けがの状況などを返信します.災害本部は,携帯のGPSで障害者の位置を確認するとともに,避難所までの道順を適宜,指示して,安全に避難を完了させるという実験です.
 今回の実験は主に支援ツールの確認という視点で実施されましたが,後藤教授からは「実用化にはツールの開発や整備に加えて,自治体の理解や介添人の確保など地域の受け皿が不可欠」と今後の課題も実験のまとめのなかで話されました.

この共同研究報告の概要へリンク→

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Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University