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2.新魚目町の厳しい状況 長崎県中通島は五島列島の中で最北端に位置する。一部の海岸線には、火山を成因とする赤い断崖も見られ、島全体に急峻な地形が卓越して平地が非常に少ない。また、急斜面に民家が建っているケースが非常に目立ち、高齢者にとって上り下りが大変だろうと想像される。 |
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新魚目町の中心部と半島先端部との間の公共交通手段は1日3往復のバスのみであり、住民にとって利便性が非常に悪い。地理的には本土から時間距離と、島内の移動距離が大きく、地理的なハンディがある。こうした厳しい自然条件が、江戸時代に迫害されたキリシタンにとって、格好の隠れ家であったと考えられる。島民の約3分の1はキリシタンで、上五島各地に29の教会がある。その建物は明治初期の古いものがあったり、木造でありながらヨーロッパのゴシックを真似たものがあったり、西日本で唯一の石造り教会があったり、建築学的にも非常に価値が高い。 |
図1.新魚目町の位置 |
レンガ造りの青砂ヶ浦カトリック教会。どこの教会も自由に見学できる。 |