JAM SESSION
STAGE 4

    
● 鯉江
今は環境への認識がぐっと高くなったものだから すごく議論が盛り上がっているんだけど,逆に僕な んか自然とずっと一緒にいると,極端な話,まあい いんじゃないの,それよりこういう問題にみんなが 気がつき始めたことの効果の方が大きいよ….

● 佐々木
自然はもっと懐が広い,というわけですか.

● 鯉江
もちろん言うことだけは言わなくちゃいけないし, 止められるものは止めた方がいいと思いますが,ヒ ステリックにならずに大らかに見ることも大切.と いうか,開発でも急いだから失敗したわけであって,環境のことはゆったり考えたい.現実には難しいで すけどね.また自分の生活を考えてみても,やっぱ り車に乗ってエアコンを入れて,というところがあ るものだから,まずごみ問題でも環境問題でも自分 の範囲でやれることはやろうという意識があると, 説得力があるんだろうなと思うわけです.

● 佐々木
そう言われると,何か自分の日々の生活のことが….

● 鯉江
僕は自分のことを言っているんですよ(笑い). だけど,10 年前と比べると,これだけ環境認識が 高まったものだから,環境負荷は相当減っているん でしょうね.

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● 佐々木
確かに子供のころから比べれば,家にある洗剤の 量一つ見てもずっとコンパクトになったし,詰め替 えのものが日常的になり,家電製品も省エネになっ ているようです.トータルではよく分からないです が,少なくとも意識の面では環境負荷が強く意識さ れているので,楽観的にいえばいい方へ向かってい ると思うようにしています.

● 鯉江
意識が動いていけばそれがニーズになって,ニー ズがあればビジネスになり,それで環境がよくなる というのがあって,日本は特にそういう国だと思い ますね.僕たちのやっていることにしても,今企業 がすごく興味を持ってくれていて,いろんなネット ワークを作りつつあります.日本というのは島国で, しかも多様な気象条件の影響を受けながら自然と共 生する知恵をすごくもっていたと思う.ただ持って いたものを忘れていたところがあるものだから,も う一回そういうところを見直したり,また新たな高 度の情報を取り入れたりすることによって,まだま だ可能性を持った国だなという感じはしますね.

● 佐々木
そうですね.お互いに希望をもって明るく楽しく やっていきましょう.今日はどうもありがとうござ いました.

● 鯉江
こちらこそ.ありがとうございました

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お話を伺って一言:
 鬼崎の海辺のアトリエで,夕日を見ながらビールをのんで鯉江さんと話を していると,本当に楽しいし,元気になってくる.すごく控え目な感じの方 だけれどものすごくアクティブに動いておられて,しばらくぶりに会うとこ の前よりぐっと前進していらした.私もあわてて追いかけなくちゃ,とま たしても元気をいただきました. (佐々木)