JAM SESSION
STAGE 4

 ゲスト 有限会社マリナーズ 取締役社長 鯉江 正雄 氏

聞き手 日本福祉大学 情報社会科学部助教授 佐々木 葉

 

 今回のJam Session のゲストは,愛知県常滑市で海と深く関わりながら海岸保全,ランドスケープデザインのお仕事,さらには環境教育活動と,幅広くご活躍されている鯉江正雄さんです.
   
鯉江正雄・こいえまさお
昭和29 年愛知県常滑市生まれ.知多市在住.
有限会社マリナーズ取締役社長,ガイア造景研究所海浜研究室室長.
現職のかたわら常滑商工会議所新空港協議会常任幹事,
常滑市観光協会多屋支部理事等の役職も兼任.
常滑市を拠点として,現地の気象データや環境特性に 基づいた海岸復元などの技術指導,海辺での体験型自 然環境教育,まちづくりなど,多面的な活動を展開している.

「鬼崎マリンセンター」
       という場所

● 佐々木
ご無沙汰しています.今日はどうぞよろしくお願いします.

● 鯉江
こちらこそ.なんだか緊張しちゃうな.

● 佐々木この季節にしては今日は珍しく風がないですね. 私がこの場所にお邪魔するときは,割といつもいい 天気で気持ちがいい.まずは,海辺にまさに面した この場所に鯉江さんが拠点を置かれるまでのお話か らお聞かせ願えますか?

● 鯉江
もともと僕は常滑の生まれで,小さいころから海 で遊んでいてそれが高じて,ヨットのセールやサー フボードのデザインをやっていました.しかも世界 トップクラスの人といっしょに湘南で.いまからざっ と20 年くらい前ですね.

● 佐々木
そのころの写真ですね.サーファーカットでカッコイイ!

● 鯉江
テレビにも出てましたよ.日本でブームになる前 からサーフィンを始めて,これはおもしろいという ことで,どっちにしても僕の性格では会社勤めは合 わないものだから,それを仕事にしてしまったわけ です.




● 佐々木
当然独学ですよね,経験と勘とで.ずっと湘南に いらしたのですか?

● 鯉江
ベースはこっちで,月に何度か湘南に出向いて, サーファーや選手が来るときに,彼らの求める板を つくるためにそこの海の状況だとか,波のパワーだ とかを話しながら,レース会場に合った板をデザイ ンすることをずっとやっていたんです.実は僕は 23 歳のときから,サーフボードだとかマリンスポー ツ用品を販売するためのお店を常滑に1 軒持ってい て,そこで自分は商品開発をして物を売っていくと 同時に,自分も海辺に身を置いて楽しみながら生活 の空間をつくっていきたいという,いってみればわ がままがだんだん強くなってきて,知多市の新舞子 に店を出したり,海辺に土地を買って建物を建て始 めたりして,知多半島の西海岸に3 つの拠点を持っ てやっていました.

● 佐々木
その一つが,ここですね.プールがあって喫茶店 があって,太陽の光もたくさん入るこの場所は,何 と説明すればよいのでしょう?

● 鯉江
この施設全体は「鬼崎マリンセンター」と呼んで いますが,マリン事業の会社があって,それからデ ザインや調査をやる「ガイア造景研究所」,あと不 動産管理と海洋コンサルティングの「マリナーズ」という会社を僕がここで持っているわけです.

● 佐々木
社長さんなんだ,実は!私がいろいろお世話にな るのは,ほとんどそのガイアの分野ですよね.他の お話も伺いたいのですが,全部うかがうととても時 間が足りなさそうなので,主にガイアのお仕事についてお話しましょう.

佐々木 葉・ささき よう
東京工業大学大学院総合理工学研究科前期博士課 程修了
工学博士(東京大学)
情報社会科学部 助教授
専攻は都市景観論、景観デザイン

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