3. 社会的先進性
(1)行政枠を超えた福祉ナビゲーションシステムの構築
福祉領域に 「どんなサービスがあるか分からない」 「窓口が多くて行き先が分からない」 という課題に応えるために, 生活情報からサービス・制度・手続き・介護機器までの情報を広範に含む 「福祉ナビゲーションシステム」 の構築というコンセプトを取り入れる. 福祉サービス利用のための選択権を利用者に提供し, 具体的にニーズに応じた関連情報を提示しながら, サービスを自分自身で選択するまでのプロセスをサポートする, まさに 「ナビゲーションシステム」 の考え方である. ここでは高浜市とその行政枠を超えた周辺地域を含む, 包括的で的確な福祉・生活情報の提供を行い, 市民生活面での利便性が得られとともに, 市民の QOL 向上に貢献できる.
(2)介護保険をカバーした福祉領域の地域情報化
従来の措置制度に象徴されるようなパターナリスティックなサービス提供方式から, 今後の介護保険導入でサービス利用者のニーズや状況に応じた選択方式への転換が進むと考えられる. 次世代の高度な情報システムを駆使して多元的サービスの組み合わせを提案できるコーディネート機能が福祉業務の介護認定業務などの川上から介護給付事務などの川下にいたるトータルな分野で望まれる. 福祉サービスの提供者が最適なサービスを提供するためには, 在宅ケアと施設ケアが融合したり, 関係サービスの一体的提供が望まれ, 関係者間で情報ネットワークを構築し, 情報共有しておくことが欠かせない.
(3)福祉ニーズの把握と新しいビジネスチャンス (産業構造の変革) の期待
次世代の情報システムは, 福祉分野に対する市民の新たなサービスニーズの把握が可能となるキャッチシステムとも位置づけられる. 市民ニーズに応じた, ハイクオリティな生活や福祉サービスを広域的に供給することが可能となる. これらを背景として, バリアフリーに関わるサービス提供を実施する新産業を創出することができ, 地域の活性化が図られる.