(2) 環境質に関わるデータベースの作成
環伊勢湾, 環三河湾沿岸地域の河川水質, 大気汚染状況などについて, 市町村レベルで行われている測定データをデータベース化し, 汚染動向の解析を図ると共に, 流域の経済活動との相関関係の分析を進め, 流域の環境管理計画を検討するための支援システムとして整備を進めている. 愛知・岐阜・三重県の全市町村を対象として, 環境実態調査のデータ収集を既に始めている.

(3) 参加型環境情報システム構築のしくみづくり
行政の有する環境データは, 一定の調査企画のもとで統一的に実施されているものであり, 経年的な動向を正確に把握する上では重要である. 一方, 前述の環境学習を通じた地域環境づくりへの支援という側面から考えると, 市民が主体となった参加型の新しいタイプの環境情報システムが浮かび上がってくる.
すでに, 滋賀県では, ホタルダスやユキダスといった, 数多くの市民が参加した環境データの収集プロジェクトが自発的に進められており, 少数の専門家が行う精度の高い調査に負けないだけの成果をあげている.
たとえば, 花の開花日, 渡り鳥の飛来状況やホタルの発生状況, 降水量や風などの気象状況, 鈴鹿山脈の見え方, 指標生物の分布などについて, 知多半島の各地に住む市民が参加し情報を寄せ合うことにより, 従来気がつかなかった新しい知多半島の姿を浮きぼりにできればと考えている.

(4) 「地域をみるしかけ」 としての装置化
このような環境情報は, インターネットのホームページを通じて広く公開していくと共に, 市民がわかりやすく容易に利用することができるような, 環境情報システムとして構築することを目指している. このようなシステムは, いわば, 「地域をみるしかけ」 として装置化することにより, 市民活動やまちづくりの現場, さらには, 行政の施策立案などにも役立つようにしていく予定である.
BACK
RISS No.3 CONTENTS へもどる