JAM SESSION
STAGE 1


ゲスト 名古屋大学 総長 松尾 稔 氏
聞き手 日本福祉大学情報社会科学部 助教授 佐々木 葉
このコーナーでは, 当研究所のプロジェクトリーダー・佐々木葉助教授と, 各界でご活躍の様々なゲストとの対談を毎号シリーズでご紹介します.
第1回のお客様は, 名古屋大学の松尾稔総長です. ご多忙を極める中インタビューを快くお引き受け下さった松尾先生を, 初夏の日差しもまぶしい6月1日, 名古屋大学構内の総長室にお訪ねしました.
<佐々木>
今日は, お忙しいところお時間をとっていただきまして, どうも有り難うございます. さっそくですが, 松尾先生は以前からも大変お忙しかったと思いますが, 名古屋大学の総長になられてからはいかがですか?
<松尾>
ものすごく忙しいですね. 自分のスケジュールも自分で管理できないくらいですね.
<佐々木>
総長になられたということで, お仕事の種類や方面にも多少変化があったのではないかと思います. その中で, やはり愛知あるいは東海地域の 「核」 となる大学のリーダーとしての役割や方針についてお聞かせ願えますか?
<松尾>
総長になる以前から, 全国的には, 私は学術会議や国立大学協会の委員会, 学会などで活動してきました. 地域の問題についても私はかなり熱心にやってきたと思っています. それは, 各地域があっての日本全体の問題ですから, 各官庁や県, 名古屋市などにおいて, 主として科学技術に関する問題には相当協力し, 力をいれてきたと考えています. 国でいうなら中部国際空港の問題にはずいぶん前から国の委員会の副委員長としてずっと関与してきたし, 県の問題でいくと例えば科学技術交流財団の設立があり, また名古屋市については, 最近では 「名古屋まちづくりフォーラム」 があります.

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これは公と民の連携で都市の活性化を話し合う会議で, その座長をつとめたりと, 自分では一生懸命やっているつもりですが, 足らないかもしれませんね.
<佐々木>
以前から松尾先生ご自身のお考えで積極的にかかわってこられたお仕事と, 名大総長としてのお仕事との違いというか, 使い分けというものはありますか?
<松尾>
そうですね. 名大内部の問題については私がリーダーシップをとって各学部の発展を考えていかなければなりません. また, 地域の学長としての仕事は今のところ主として, 自分自身の考えでリーダーシップをとっていくのではなく, これまでの経緯をよくみてコーディネイトしていく, 調整役ですね. それに対し, 従来から関わってきたものは, 自分の人生観や価値観を表に打ち出してやっていきますので, その点は違いますね.

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