下咽頭がん

舌の奥下方に広がる下咽頭にできるがんです。60~70歳代の男性に多く、タバコや度数の高いお酒が原因とされています。下咽頭のなかでも喉頭こうとうの両脇にぶら下がった下向きの円錐形のくぼみである梨状陥凹にできること多く6~7割をを占めます。下咽頭の下端の前面にできる輪状後部がんは全体の20%を占め、鉄欠乏性貧血てつけつぼうせいひんけつが関与していると考えられています。腫瘍が小さいと症状がほとんどないことも多く、早期発見が難しい病気です。場合によっては早期から飲み込むときの引っ掛かり感や違和感が生じることがあります。進行すると飲み込むときに強い痛みがおこります。またくびのリンパ節に転移して、頚がはれてくることもあります。さらに進行すると喉頭にも波及し、声がれや呼吸困難を伴うようになります。

治療方法

手術治療で腫瘍を摘出します。周囲の正常な部分を含めて十分大きく切り取ることが必要です。リンパ節の転移が疑われる場合、リンパ節転移がある場合は、リンパ節の系統的切除も行います。手術後放射線治療、抗がん剤による化学療法を併用する場合があります。下咽頭は喉頭に隣接しているため、時には喉頭も合併切除することもあります。

「日本福祉大学付属クリニックさくら」では、耳・鼻・のどに関する治療に加え、めまい、いびき・睡眠時の無呼吸等についても診療いたします。