急性中耳炎

鼓室は耳管で鼻の奥とつながっています。鼻や口の中には正常でも常在菌と呼ばれる細菌が住んでいるのに対して、細く長い耳管が菌の侵入を防いでくれるため鼓室には細菌はいません。しかし風邪などで鼻やのどで菌やウィルスが増殖すると、時間の侵入防止機能が崩れ、鼓室に病原体が入って増殖します。その結果炎症が起こり鼓室に膿がたまり、その膿が鼓膜を外側に押し膨らませることで、強い痛みが起こります。痛みは鼓室表面の血液の流れに同調して、脈打つようなズキズキした痛みであることが多くあります。鼓膜に強い圧が加わり続けると薄い鼓膜は耐えきれなくなり、鼓膜の一部に穴が開きます。するとそこから膿が耳の穴に流れ出て、耳だれが生じます。耳だれが出ると鼓膜にかかっていた圧が弱くなり、痛みが軽くなります。こどもでは大人に比べて顔がまだ小さく耳管は短く太くなっており耳管の防御機能は低く、そのために急性中耳炎は子どもに多くみられます。

治療方法

鼓膜が赤くはれて痛みが強い場合は、鼓膜を切開して膿を出すと痛みが軽減します。耳だれが出ている場合は耳の中にたまった分泌物をよく清拭します。抗生剤、鎮痛剤を服用します。痛みや耳だれが治まっても、途中で内服を中止すると滲出性中耳炎に移行したり、急性炎症が再燃することがあるので、しっかり服用することが大切です。

「日本福祉大学付属クリニックさくら」では、耳・鼻・のどに関する治療に加え、めまい、いびき・睡眠時の無呼吸等についても診療いたします。