良性発作性頭位めまい症

内耳の前庭にある耳石じせきの主成分はカルシウムであり、骨の組織と同じように常に再生、分解を繰り返しています。古くなった耳石は耳石膜周囲の細胞に取り込まれ吸収されます。その過程で耳石が耳石膜やその周囲の細胞からはがれて、前庭の後ろに位置している半規管の中に落ち込んでしまうことがあります。その場合、頭を回転させるたびに半規管の中で耳石がコロコロ転がって、正常より強いリンパ液の流れが生じて、それによって激しい回転性めまい感が起こります。いったん頭を動かしてめまいが起こっても、安静にしていると数秒~数十秒で徐々に症状が治まってきます。しかしまた頭を動かすと同様のめまい発作が繰り返して起こります。聞こえの悪さや耳鳴りは基本的に伴いません。

治療方法

めまいがしないようにじっと安静を守ってしまいがちですが、実はじっとしていると耳石はいつまでも残ります。少しずつでも動いていくことで徐々に症状は軽くなっていきます。外来ではめまいを抑える薬を処方しますが、薬だけ飲んでいても根本的な解決にはなりません。

「日本福祉大学付属クリニックさくら」では、耳・鼻・のどに関する治療に加え、めまい、いびき・睡眠時の無呼吸等についても診療いたします。