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お知らせ・トピックス

第3回大規模災害発生地域における医療・福祉連携に係る円卓会議を開催しました

2015年10月23日

 第3回目となる「大規模災害発生地域における医療・福祉連携に係る円卓会議」を8月4日に半田市のアイプラザ半田で開催しました。

 円卓会議は、2年前の本学の地域連携プラットフォーム設立記念フォーラムの際に、藤田保健衛生大学の平川先生からこれから起こる南海トラフ巨大地震、津波などの災害に対して、医療と福祉の両方から対応することの重要性をご提案されたことから始まりました。
 今回は、藤田保健衛生大学病院の新棟の開設等もあり、平川先生は業務ご多忙のため出席頂けませんでしたが、これまでの2回の円卓会議を振り返りながら整理し、これからどうしていくべきかという視点で有意義な意見交換をすることができました。
 また、意見交換するにあたって、話題提供として、知多半島における防災・減災の取り組み状況を美浜町と半田市の防災担当者から事例発表を頂きました。

<話題提供>

テーマ: 「行政の防災・減災に関する取組紹介(美浜町、半田市)」
話題提供者: 美浜町 防災安全課 防災専門官 山田 英一氏
半田市 防災交通課 防災監   齊藤 清勝氏
テーマ: 「これまでの振り返りと問題提起」
話題提供者: 日本福祉大学 災害ボランティアセンター長 原田 正樹

<意見交換(ワークショップ形式)>

テーマ: 「ネットワークをつくるために何が必要か」
コーディネーター: 日本福祉大学 災害ボランティアセンター長 原田 正樹

参加団体(団体名五十音順)

社会福祉法人 愛光園
社会福祉法人 あぐりす実の会 特別養護老人ホーム大地の丘
社会福祉法人 椎の木福祉会 特別養護老人ホーム瑞光の里
社会福祉法人 知多学園 特別養護老人ホームむらさき野苑
社会福祉法人 みはま福祉会 セルプアゼーリア
特定非営利活動法人 地域福祉サポートちた
特定非営利活動法人 ゆめじろう
半田市
半田市社会福祉協議会
半田市立半田病院
美浜町
美浜町社会福祉協議会

<オブサーバー>

南知多町

 美浜町からは、災害拠点病院との総合防災訓練の取り組みや一人暮らしのお年寄りや妊産婦、乳児などが災害時に支援を受けられるようにする災害時要援護者登録制度の取り組みなどが紹介されました。また、半田市からは、避難所における子どもたちの宿泊体験の防災キャンプの取り組みや防災功労者内閣総理大臣賞を受けた岩滑区自主防災会の取り組みなどが紹介されました。最後に、半田市で家庭の防災対策が思うように進まない現状から、防災は何のためにするのかという視点で、「あなたの大切な人を守るためです」と市民に問いかけていることが強調されました。

 次に、原田災害ボランティアセンター長からこれまでの整理と問題提起がされました。第1回目では、福祉や医療の現場等で関わっている中での課題を話し合い、第2回目では、その課題を踏まえての「災害が起こった時、医療側とどんな連携が必要か」を話し合い、その結果、他施設・地域とのネットワーク構築の重要性が問題提起されました。そして、今回、災害時に向けて「ネットワークをつくるために何が必要か」というテーマで話し合いました。

 4つのグループに分かれて話し合い、「日常からの医療関係者と福祉関係者の交流が必要ではないか」、「医療と福祉の垣根を超えるコーディネート人材の育成が必要ではないか」、「医療情報との共有にあたって、福祉版のトリアージの作成が必要ではないか」、「連携にあたって、仕組みづくりが必要で特に日常の関係づくりが必要ではないか」、「まず、医療側と福祉側の共通認識が必要で、その上で、協力が生まれ、さらに具体的なシミュレーションなどの対応に進んでいくのではないか」などの意見が挙がりました。

 最後に、原田災害ボランティアセンター長から総括として、「市町ごとにやるしかないこと、市町でも広すぎて、中学校区や小学校区といった日常生活圏域を想定した取り組みが基本になる。ただしこの円卓会議は、ある意味、広域で何ができるか、例えば市町を超えたところでDMAT(災害派遣医療チーム)が来た時の福祉側の受け皿をどう構築していくかが課題になってくる。」ことが話されまた。
 今回ファーストステップとしての円卓会議としてはこれで終了になります。今後は出して頂いた論点を整理しながら、次のステップにむけて関係機関で協議をしていくことになりました。とても重要な課題であることを相互に確認することはできましたが、実際にネットワークをつくっていくとなると課題が山積しています。とはいえ南海トラフに備えて、私たち福祉関係者は「いのちをまもる」ために何ができるかを協働して考えていきたいものです。

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