精神保健福祉士の実習期間の合間を縫って、地域同窓会と在学生の交流事業に参加してくれた横山礼士さん。社会福祉士と精神保健福祉士のWライセンス取得を目指して学ぶ日々の中で、福祉を志すきっかけや大学生活について語ってくれました。

地域同窓会と在学生の交流事業に参加するため児玉ゼミのメンバーと青森へ(写真左)
同窓生を前に発表中。最初は緊張していた学生たちも、次第にみんな笑顔に(写真手前)
交流会会場の青函連絡船「八甲田丸」と、津軽海峡冬景色歌謡碑の側で撮影

たどり着いた先にあった福祉

 もともと人との関わりや人の役に立つことが好きで、中学生のときに職場体験やボランティア活動で高齢者施設を訪れたことで、高齢者福祉や地域福祉への関心が芽生えました。

 その一方で、中学時代は人間関係に悩み孤立していた時期がありました。つらい気持ちを隠して過ごしていたところ、担任の先生だけがそれに気づき、寄り添ってくれたことが大きな支えになりました。しかしその先生が退職され、のちに鬱だったことを知り、とてもショックを受けました。

 また、高校時代では、大好きな陸上で怪我をして走れなくなり、ストレスから一時的に身体が動かなくなるほどの体調不良になったこともありました。「なぜ、先生のような人のつらさに気付いて寄り添ってくれる優しい人が追い詰められてしまうのか」―。療養中、自分の過去や将来について深く考えるようになり、たどり着いたのが「福祉」でした。

地域とのつながりが学びに

 福祉について調べるうちに社会福祉士・精神保健福祉士の存在を知り、両方を目指したいと思うようになりました。社会福祉士の合格者数が全国1位で、専門の先生が多く、幅広く福祉を学べる環境に魅力を感じて、日本福祉大学を選びました。親からは国公立やもっと近い大学を勧められましたが、日本福祉大学で自分を変えたいという思いを伝えて応援してもらい、進学を決意しました。

 現在は一人暮らし4年目。家事もすっかりこなせるようになり、メリハリのある生活を意識しています。ドラッグストアでのアルバイトを始め、ジョギングサークル「ぐっじょぐ」や東北県人会など、学業以外の活動にも積極的に参加しています。

 中でも、地域のイベント「みはまシャルソン」に実行委員として関わったことは良い経験になりました。地域の魅力を知り、様々な人との出会いがありました。先輩方が卒業し、イベント継続の難しさも感じましたが、地域の方々との交流を通して、身近な課題について考える貴重な機会にもなりました。

複数の県人会が協力し合って、大学祭で模擬店を出店しました
(後列左)
第1回みはまシャルソン参加者のみなさんと
※写真はホームページより(後列左)

ともに学ぶ仲間は大きな存在

 大学生活を通じて一番大きく変わったのは、一人で抱え込まず、周囲の人を頼って相談できるようになったことです。精神課程でともに学ぶ仲間は自分にとって大きな存在であり、みんなのおかげで自分を変えられたと思っています。仲間たちと励まし合いながら、社会福祉士と精神保健福祉士のダブルライセンス取得を目指して日々勉強に励んでいます。

 卒業後は精神系の仕事に就き、将来的には相談支援専門員になりたいと考えています。辛いときに自分を支えてくれた先生のように、人の気持ちに寄り添える存在になりたいという強い思いを原動力に、国家試験合格と夢の実現に向けて頑張ります!

1回目の実習を終え、事前学習発表会に臨む4年生たち
(前列右)
「おつかれさま会」でみんなと出かけることも
(前列右)

高校生のみなさんへ

 みなさんの中には、将来やりたいことが分からない人もいると思います。自分も大学進学は決めていましたが、文理選択の時点ではまだ目標が定まっておらず、学びたいのは福祉なのだと気付き大学について調べ始めたのは高3の夏前でした。

 福祉には地域、高齢者、障害者、子どもなど様々な分野があります。入学前からひとつに絞らなくても大丈夫。それぞれ専門の先生がいるので、学びながら自分の軸となる分野を見つけられます。

 毎日を過ごす中で、興味のあることや得意なことから将来の道は自然と見えてくるはずです。焦らずに自分と向き合って、学びたい分野や行きたい大学を見つけてください!

日本福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科 人間福祉専修 4年

横山 礼士さん

REO YOKOYAMA

  • ジョギングサークルぐっじょぐ
  • 青森県/五所川原高等学校出身

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<取材:山形最上オフィス>