「人生を変える出会いがあった」

大学4年間でのさまざまな“人・もの・環境”との出会いから、自身の人生が大きく変わったという塩原さんに学生時代のお話と現在のお仕事について伺いました。

 大学時代を一言で振り返ると「めちゃくちゃ勉強しました!」と話す塩原さん。1日の活動時間のほとんどを大学で過ごしたといっても過言ではないほど学部での学びに没頭していたそうです。
 そんな風に塩原さんを夢中にさせてくれたのは、学部の先生の厳しくも寛容で柔軟な教えでした。「質を問われる学びが求められ、中途半端には出来ないというプレッシャーはありましたが、その反面、常識に囚われず、自由な発想で好きなことをやらせてもらえたので楽しかった」と当時を振り返ります。
 フィールドワークでフィリピンのスラム街へ行き、間取りや街の特性を調べたり、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力機構の事業に参加したり。言語が違う現地の方々とコミュニケーションを取りながら行う活動は決して容易ではありませんでしたが、一人ひとりの声に耳を傾け一緒に考えていくという姿勢は今の仕事にも大きく役立っていると言います。人に対するマナーや言葉遣い、こだわり抜く思想など仕事に向き合う姿勢がその活動の中で培われたそうです。

フィリピンでの建築塾
卒業論文でフィリピンを調査

 「“住宅を建てる”ことは“街を作る”こと。
人と自然の共生の場を建物だけではなく、エクステリアや周辺環境も含めて設計しています」

 家の敷地内に木々を植えることでその街に鳥や蝶がやって来る。鳥のさえずりや木がそよぐ音、季節ごとに変わる色彩など、積水ハウスには「3本は鳥のため、2本は蝶のために」という思いを込めた「5本の樹」計画があります。住まいの庭に小さな里山を作り、五感で生活を楽しめる住まいづくりを心掛けているとのこと。この時にも“街に溶け込んで考える”というフィールドワークでの思想が役に立っているそうです。

 「ネット環境や家電、植物など暮らしに関わるもの全てにおいて最新の情報を提供できるよう、
今は大学の時以上に勉強しています。」

 仕事上での学びに加え、現在、1級建築士の資格取得を目指して猛勉強中の塩原さん。仕事と勉強の両立は大変かと問うと、「勉強する習慣がついているので、大丈夫です!」と笑顔で答えてくれました。社会人になってもなお精力的に学び続ける塩原さんのご活躍、これからも応援しています。

 ※今回、紹介しきれなかった塩原さんのお話の続き(亀崎建築ものづくり塾、古民家シェアハウス等)は、下記「日福と長野県~長野県で活躍する卒業生~」でご紹介しています。こちらもぜひご覧ください!

亀崎建築ものづくり塾
古民家シェアハウス

積水ハウス株式会社 松本支店 設計課

塩原 拓さん

TAKU SHIOHARA

  • 2018年 日本福祉大学 健康科学部 福祉工学科 バリアフリーデザイン専修を卒業
    (現在の建築バリアフリー専修)
  • 長野県/野沢北高等学校出身

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<取材:松本オフィス>