この夏季大学院公開ゼミナールは、研究力(分析力)が現場での実践力を高めると考え、必要な研究方法を系統的に、講義、演習を織り交ぜながら開催してきております。第7回になる今回は、現場の実践力を高める方法としてのスーパービジョンや事例研究法を取り上げ、その「研究」に資する視点や考え方、実践手法のヒント、実践力向上への道筋等について、自らの実践を振り返りながら学べる機会とします。また、分科会全てに渡って、「研究事例」の報告を予定しています。
日程 : 2011年7月23日(土)・24日(日)
場所 : 23日/名古屋国際会議場
24日/日本福祉大学名古屋キャンパス北館
【7月23日(土)】 開催を終了いたしました
特別講演 |
<「福祉教育フォーラム」と共催> | ||
「社会福祉学の固有性とソーシャルワーク」 | |||
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大橋 謙策 | 日本社会事業大学特任教授・日本福祉大学客員教授・ 東北福祉大学特任教授・淑徳大学客員教授 |
基調講演 |
「スーパービジョン活用に向けての概念整理」 | ||
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田中千枝子 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 |
シンポジウム |
「事例検討の方法論を深める」 | ||
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シンポジスト | 山口 みほ 藤井 博志 大塚美和子 |
日本福祉大学社会福祉学部准教授 神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授 大阪府教育委員会スクールソーシャルワーカー |
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コーディネーター | 平野 隆之 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 | |
コメンテーター | 田中千枝子 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 |
【7月24日(日)】 開催を終了いたしました
分科会 |
A「量的調査法への誘い −調査票の作り方と量的研究の読み方−」 |
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末盛 慶 | 日本福祉大学社会福祉学部准教授 | ||
斉藤 雅茂 | 日本福祉大学地域ケア研究推進センター主任研究員 | ||
B「質的調査法」 | |||
田中千枝子 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 | ||
梅原 利光 | 三島市錦田地区地域包括支援センター長 | ||
C「フォーカスグループ面接の方法と実例」 | |||
冷水 豊 | 日本福祉大学研究フェロー | ||
平坂 義則 | 名古屋市社会福祉協議会権利擁護推進部次長 | ||
D「地域福祉の実践研究 −地域福祉実践におけるスーパービジョンの視点−」 |
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原田 正樹 | 日本福祉大学社会福祉学部准教授 | ||
戸枝 陽基 | 社会福祉法人むそう理事長 | ||
勝部 麗子 | 豊中市社会福祉協議会地域福祉課長 | ||
E「障害福祉の実践研究 −相談支援の人材養成に関する実践研究を素材に−」 |
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木全 和巳 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 | ||
高山 京子 | 知多北部障がい者総合支援センター元浜事業所 | ||
高橋 義久 | 名古屋市緑区障害者生活支援センター長 |
開催を終了いたしました
特別講演
10:30−12:00 |
<「福祉教育フォーラム」と共催> | ||
「社会福祉学の固有性とソーシャルワーク」 | |||
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大橋 謙策 | 日本社会事業大学特任教授・日本福祉大学客員教授・ 東北福祉大学特任教授・淑徳大学客員教授 |
社会福祉を研究するとはどういうことか。今日、「俯瞰的研究」に見られる学問体系の再編のなかで、社会福祉学の固有性が社会に認められ、学問領域として成立させていくために、固有なアプローチ(研究の視点や方法)が求められています。そのことは同時に社会福祉教育のあり方も問われてきます。社会福祉制度から教えるのではなく、ソーシャルワークの実践に基づいて社会福祉教育の内実を作り出していかなければなりません。改めて現在、社会福祉の研究や教育に期待されるものは何か。社会福祉学の固有性とソーシャルワークについて、わが国の社会福祉研究・教育をリードしてきた大橋謙策先生に多角的・横断的に語っていただきます。
基調講演
13:00−14:15 |
「スーパービジョン活用に向けての概念整理」 | ||
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田中千枝子 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 |
スーパービジョンは対人支援専門職養成にとって重要な方法であり、支援上の困難を抱えている実践家に切実に求められています。またスーパービジョンの手法を活用して、ソーシャルワークの考え方を連携する周辺領域に浸透させ、実践の影響を広げていこうとする多職種連携の時代の新たな試みも行われつつあります。ここでは現場に生かせるスーパービジョンの実際とその方向性を「研究」する立場から、概念整理を行います。そして今後のソーシャルワーク実践の発展的展開により寄与するような、スーパービジョンの理論を探していく手がかりを提起することを目的にします。
シンポジウム
14:30−17:00 |
「事例検討の方法論を深める」 | ||
---|---|---|---|
シンポジスト | 山口 みほ | 日本福祉大学社会福祉学部准教授 | |
藤井 博志 | 神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授 | ||
大塚美和子 | 大阪府教育委員会スクールソーシャルワーカー | ||
コーディネーター | 平野 隆之 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 | |
コメンテーター | 田中千枝子 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 |
基調講演を受けて、現場に生かせるスーパービジョンの方法論を考える切り口として、従来より主な手法として行われてきた「事例検討」「事例研究」をとりあげます。シンポジストは多彩な専門の各自のフィールドにおいて、「事例」を効果的に取り扱うことによって現場の実践力をたかめる間接支援としてのスーパービジョンを実践しておられる方々です。日ごろの実践を「研究」の視点から語っていただくことで、方法論の構築に寄与し、他領域の実践に応用する一助になればと考えます。
開催を終了いたしました
A「量的調査法への誘い−調査票の作り方と量的研究の読み方−」
末盛 慶 | 日本福祉大学社会福祉学部准教授 | |
斉藤 雅茂 | 日本福祉大学地域ケア研究推進センター主任研究員 |
本分科会では量的調査法を扱います。具体的には、①量的調査法の特徴、②調査票を作成する上での注意点、③量的研究の読み方に関する講義を行う予定です。量的調査法の概要や調査デザインの重要性を学ぶことに加えて、調査票の作成の仕方、そして量的研究を読みこなすヒントを講義形式で提供していきます。調査票の作り方がよくわからない方、あるいは量的方法を用いた研究を読みこなすことが難しいとお感じの方のご参加をお待ちしております。
B 「質的調査法」
田中千枝子 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 | |
梅原 利光 | 三島市錦田地区地域包括支援センター長 |
質的調査法には様々な手法が存在しますが、量的調査法とは異なり客観的のみならず主観的データも収集し、それを分析することから、客観性妥当性の担保・確保が大きな課題です。独りよがりの情報収集と分析を恣意的に繰り返すことでは研究の確かさにつながりません。そのため各種調査手法を正しく学習し、自分の研究にとって、最適なものを選び取りかつ、各手法のお作法の枠内で独自性を目指すことが必要です。そうでなければ「なんちゃって」調査になってしまいます。ここでは質的調査法の特徴を理解した上で、手法の選択過程や、お作法の適用過程を中心に、実際の研究事例をもって理解できるように解説を行います。
また本分科会は、継続企画として9月3日(10:00-16:00)の質的研究会主催の「研修会」へつながる内容となりますので、極力両日参加をしていただくことをお願いします。
C 「フォーカスグループ面接の方法と実例」
冷水 豊 | 日本福祉大学研究フェロー | |
平坂 義則 | 名古屋市社会福祉協議会権利擁護推進部次長 |
フォーカスグループ面接は、質的な実証研究法の一つで、もともと市場調査の方法として開発されたこともあり、実践目的で用いられることが多い方法です。日本では、保健看護分野を中心に用いられてきましたが、同じ実践志向の社会福祉分野では、何故かほとんど用いられてきませんでした。本分科会では、この研究法を社会福祉の研究および実践の分野で活用するための基礎的理解(特徴、データ収集法、データ分析法)を得られるようにするとともに、地域福祉の現場で実際に活用された実例を紹介し、この方法を院生や現場実践者が用いる上でのQ&Aについてワークショップ形式で意見交換をします。
講義と質疑 フォーカスグループ面接の特徴と具体的方法(冷水豊)
/ 実例紹介とQ & A フォーカスグループ面接を活用した地域福祉実践研究(平坂義則)
D「地域福祉の実践研究−地域福祉実践におけるスーパービジョンの視点−」
原田 正樹 | 日本福祉大学社会福祉学部准教授 | |
戸枝 陽基 | 社会福祉法人むそう理事長 | |
勝部 麗子 | 豊中市社会福祉協議会地域福祉課長 |
「地域福祉実践」の射程を明確にしない限り、地域福祉実践におけるスーパービジョンはそもそも成立しません。つまりスーパーバイザーとして、地域福祉実践をどう捉えているかという枠組みが重要なスーパービジョンの要素になり得るのです。そこで今回は、地域福祉実践者として優れた実践を積み重ねてきたお二人に話題提供をしていただくことにしました。障害者の地域支援の視点と社協による地域組織化の視点の差異に着目しながら、地域福祉実践の有り様を問い、そのなかで地域福祉実践のスーパービジョンの視点について明らかにすることを目的にします。さらに分科会のなかではスーパービジョンの枠を越えて、人材養成や業務評価・研修のあり方、管理職像といった幅広い角度からも議論をしていきたいと思います。そのことが、これからの地域福祉実践の質の向上につながっていくと思います。
E「障害福祉の実践研究−相談支援の人材養成に関する実践研究を素材に−」
木全 和巳 | 日本福祉大学社会福祉学部教授 | |
高山 京子 | 知多北部障がい者総合支援センター元浜事業所 | |
高橋 義久 | 名古屋市緑区障害者生活支援センター長 |
厚生労働省科学研究費「障害者の相談支援にかかる人材養成に関する研究」(研究代表者:野中猛)において、公的な研修を含めたあるべき人材育成システムをめざして、若手相談員の成長過程と有効な研修の在り方、ベテラン相談員の成長過程と成長の契機、そして当事者や家族による相談員評価の必要性と可能性を明らかにすることを目的として調査研究を行ってきました。分科会では、これまでの研究の成果を発表しつつ、これらを実践研究という視点で振り返りながら、障害者福祉分野における現場の実践力を高める方法としてのスーパービジョンや、事例研究法におけるアクションリサーチなど「研究」に資する視点や考え方、実践手法のヒント、実践力向上への道筋などについて、当事者や家族の視点を大切にしながら、学び合います。
15:30−16:30
分科会まとめ
【参加料金】 | 3,000円(1日のみでも) *本学院生・学生 1,000円(1日のみでも) ※分科会等の確定の上、参加証と参加費用振込用紙を送付します。7月15日までにお振り込みください。 |
【申し込み期間】 | 7月15日まで(但し、定員になり次第締め切ります) |
【申し込み方法】 |
開催を終了いたしました |
【問い合せ先】 | 平日10:00〜17:00 日本福祉大学研究課 担当:増村 〒460-0012 名古屋市中区千代田5-22-35 日本福祉大学名古屋キャンパス北館7F 福祉社会開発研究所 (問い合せ先)090-8499-2255 (FAX申し込み先)052-242-3076 (E-mail)kakidaigakuin@ml.n-fukushi.ac.jp |
主催:日本福祉大学福祉社会開発研究所
後援:日本福祉大学同窓会
【会場案内図】 | ![]() |
名古屋国際会議場
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日本福祉大学 名古屋キャンパス
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