研究報告

高齢者の色彩認識特性の実験心理学的分析 研究代表者:中村 信次
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2. 方法

2.1 刺激画像

  「ちらしずし」「酢豚」「ローストビーフ」の3種の商業用料理写真に対し、Adobe社製フォトレタッチソフトPhotoshopを用いて擬似的な色光照明効果を適用した.色光照明条件は3水準設定された(写真3種類×照明条件3水準=9刺激)."青色照明"条件では、料理写真中の白色対象(具体的には陶器製食器)の画面上での表示がx=0.22, y=0.26, Y=22.9、"赤色照明"条件ではx=0.42, y=0.33, Y=28.8、"白色照明"条件ではx=0.32, y=0.32, Y=59.7となるように設定された.図1に刺激に用いた画像を示す.

2.2 手続き

   刺激画像を、バイデザイン社製42インチプラズマディスプレイ(d:P4222GJV4 表示面サイズ932×520mm)上にランダムな順序で提示し、それらに対する評価を求めた.

 

評価項目は、一般的な視覚的印象を問う14項目からなるSD尺度(@硬い―柔らかい、A重い―軽い、B暖かい−冷たい、C止まっている−動いている、D静か−にぎやか、E明るい−暗い、F鮮やか―くすんでいる、G快−不快、H派手―地味、I東洋的―西洋的、J和風―洋風、K浅い―深い、L鋭い―鈍い、M薄い―濃い)と食品の味覚に関連した印象を問う6項目(@おいしい、A甘い、B辛い、C酸っぱい、Dしょっぱい、E苦い)の評定尺度からなっており、それぞれ5件法による判断を求めた.被験者は、年齢19〜24歳の大学生92名であった(男性62名、女性30名).自己申告による色覚特性のスクリーニングを行い、過去に色覚特性に関する指摘を受けた経験があるものは被験者から除いた.観察は通常照明下の明環境下で行われ、観察距離は約2mであった.
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図1 実験に用いた画像
図1 実験に用いた画像

Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University