1 Palm 機の長所・短所

 
  • 画面は携帯より大きく, 操作しやすい. ノート PC より持ち運びに便利. モバイルとしてサイズがベスト.
  • 電源を入れればすぐに起動.
  • バッテリが長時間持つ.
  • 価格が手ごろで, 導入コストが安い.
  • パソコンとデータの同期機能を実現しやすい.  
短 所
  • Graffiti の入力方法が面倒.
  • 通信環境がオプションとなっている.
  • 蓄積できる総データ量が限定される.
総 評
  • ノート PC と携帯電話の中間的なサイズであり, サイズ的にも機能的にも最適である.  

 さらに, 2 回にわたり, ホームヘルパー向けに操作説明会を実施した. 機器の基本的な説明から開発したシステムの説明まで網羅した形で行った. Palm 機のインターフェースが元々シンプルなため, パソコンほどの戸惑いは無いようであった.
一部のホームヘルパーに現場での活用を試験的にお願いし, その結果を開発部隊にフィードバックし, システムの修正と可能な限りインターフェースの改善を実施した.

  3. 構築するモバイル情報環境
 高浜市地域福祉情報システムの構築は, 平成 4 年度に国民健康保険に関わる高齢者健康調査と老人保健福祉計画策定のための調査業務を日本福祉大学・社会福祉総合研修センターに委託したのが始まりであった. 高齢者に関わる個人情報をデータベース化し, さらに発展させるため, 平成 4 年度に 「高浜市地域福祉情報システム基本構想」, 平成 5 年度に 「高浜市地域福祉情報システム構築調査」 としてまとめ, 福祉情報の一元化・共有化を最大限の狙いとしていた. 福祉関連場所を一箇所に集め, 窓口一本化を実現した, 新機軸の 「いきいき広場」 の業務環境は, 従来のようにホームヘルプサービスや各種手当てというように縦割りの制度で個人を見るのではなく, 一個人が今どのような状況にあり, どのような制度に該当しているのか, 情報システムの画面を見れば一目瞭然となり, 的確な福祉サービスを提供できるようにした. 平成 12 年に導入された介護保険制度に対応するため, レセプトシステムをサブシステムとして付加した. これらは福祉施策や介護保険制度を支える屋台骨として自治体や関係機関に必須である. これらは各種制度を裏で支える職員向けの情報システムである.
 さらに, 同年にサービス情報の入手格差を解消する試みで, 福祉情報ナビを構築した. 公共・民間を含めた多種多様な在宅ケア支援サービスが, 「いつ」, 「どこで」, 「どのような内容で」 供給されるのか, そして 「どんな障害を持った利用者まで」 可能なのか, 「個人負担はどれくらいなのか」, 「どんな手続きが必要なのか」 など一目でわかる充実した情報を要介護者や家族のニーズに応じて提供できる. 今回, ここで提案する在宅ケア支援モバイル情報環境は, 在宅の要介護高齢者との接点となるホームヘルパーを中心としたケアスタッフ向けのシステムである. 本部にあるデータベース・システムとこのモバイル情報環境の連携により, 在宅福祉業務の上流から下流までの情報化が完成に近づくと考える. モバイル情報環境の構築により, 図 1 で示した福祉情報化の全体像において一通りの対応が可能となる.

3. 構築するモバイル情報環境
 高浜市地域福祉情報システムの構築は, 平成 4 年度に国民健康保険に関わる高齢者健康調査と老人保健福祉計画策定のための調査業務を日本福祉大学・社会福祉総合研修センターに委託したのが始まりであった. 高齢者に関わる個人情報をデータベース化し, さらに発展させるため, 平成 4 年




 

度に 「高浜市地域福祉情報システム基本構想」, 平成 5 年度に 「高浜市地域福祉情報システム構築調査」 としてまとめ, 福祉情報の一元化・共有化を最大限の狙いとしていた. 福祉関連場所を一箇所に集め, 窓口一本化を実現した, 新機軸の 「いきいき広場」 の業務環境は, 従来のようにホームヘルプサービスや各種手当てというように縦割りの制度で個人を見るのではなく, 一個人が今どのような状況にあり, どのような制度に該当しているのか, 情報システムの画面を見れば一目瞭然となり, 的確な福祉サービスを提供できるようにした. 平成 12 年に導入された介護保険制度に対応するため, レセプトシステムをサブシステムとして付加した. これらは福祉施策や介護保険制度を支える屋台骨として自治体や関係機関に必須である. これらは各種制度を裏で支える職員向けの情報システムである.
 さらに, 同年にサービス情報の入手格差を解消する試みで, 福祉情報ナビを構築した. 公共・民間を含めた多種多様な在宅ケア支援サービスが, 「いつ」, 「どこで」, 「どのような内容で」 供給されるのか, そして 「どんな障害を持った利用者まで」 可能なのか, 「個人負担はどれくらいなのか」, 「どんな手続きが必要なのか」 など一目でわかる充実した情報を要介護者や家族のニーズに応じて提供できる. 今回, ここで提案する在宅ケア支援モバイル情報環境は, 在宅の要介護高齢者との接点となるホームヘルパーを中心としたケアスタッフ向けのシステムである. 本部にあるデータベース・システムとこのモバイル情報環境の連携により, 在宅福祉業務の上流から下流までの情報化が完成に近づくと考える. モバイル情報環境の構築により, 図 1 で示した福祉情報化の全体像において一通りの対応が可能となる.

  (モバイル情報環境に望まれる機能)
 これまで高齢者宅を訪問し, ステーションに帰社した後, 「活動日誌」 に記入し, ステーションのパソコンで 「提供票」 などのチェックを行ってきた. モバイル端末で多量の新規事項, 修正事項を入力することに無理があるため, ステーションで入力するという, 従来のワークフローの一部はこのままでもよい (備忘録的な仕組みで, モバイル端末に 「特記事項」, 「引継ぎ事項」 に記入してもらう). 残りの一部の入力・修正事項は, 端末側でダイレクトに 「活動日誌」, に記入・修正することを想定している. モバイル端末には, サービス提供に資するための, 「利用者台帳」, 「サービス手順書」, 「サービス提供票」 を中心に搭載し, 「特記事項」 や 「引継ぎ事項」 の項目も併せ持つものとする.
 以上から, モバイル情報端末では, 以下の機能を具備することを計画する.

  1. 利用者台帳 (基本的な個人情報) の参照
  2. サービス手順書の参照 (編集可能とするが, 特記事項に記入する程度)
  3. サービス提供票における日付, 曜日, 時間, サービスコード, 特記事項の参照
  4. 活動日誌の記入
  5. サーバー側データベースと同期

   ホームヘルパーシステム (パソコン側) からモバイル情報端末へダウンロードする情報は, 上記の内容でヘルパーグループ・月の単位で行う (毎日, サーバー側のデータ-ベースと同期可能).

 

図2 開発イメージ
出典:http://www.pumatech.co.jp/

図1 福祉情報化の全体像