同窓会推薦入試で入学された今野未梨さん(3年)と、お母さまで卒業生の今野玲子さんにお話を伺いました。

幼少期の思い

日本福祉大学へ進学した理由は?

(母)玲子さん : 私が小学生のころ家族が言語障害になりました。その時にお世話になった児童相談所の方が良い方で、「こんな仕事をしたい」と思ったことが福祉に興味を持ったきっかけです。当時は言語障害に対する理解が今ほど広がっていなかったため大変苦労しました。少しでも助けになることをしたいという気持ちが強く、福祉クラブがあった地元の高校へ進学し、大学も福祉の道に進みたいと思うようになりました。福祉系の大学が少ない時代で、働きながら夜間で学べる大学を探し、日本福祉大学を知りました。名古屋で一年間寮生活をしながら働き、学費を貯めて、福祉大の夜学(※)を目指しました。
※社会福祉学部第2部社会福祉学科(当時)

(娘)未梨さん : お母さんの影響が一番大きいです!私が保育園の時からお母さんは福祉施設で働いていて、私も一緒に職場へ行くことが多くありました。そこで利用者のおじいちゃんやおばあちゃんと話す機会があり、その時間がとっても楽しいと感じていました。小学校の時には、障がい者への偏見や差別を目の当たりにし、そのことに対して怒り・悲しみ・疑問など様々な感情をおぼえました。その経験から自分が障がい者と関わることが偏見や差別のない世の中をつくる第一歩になるのではと考えるようになりました。将来は、高齢者・障がい者・子どもの複合施設を作りたいと考えています。そのためには幅広い分野を学ぶことが必要なので、それを叶えるために日本福祉大学への進学を決めました。

(母)玲子さん : 娘が日本福祉大学に進学を決めたときは嬉しかったです。小学校のときから障がい者と健常者を区別しない姿を見ていましたので、もしかしたら福祉に向いているのかなと思っていましたが、進む道は自分で決めればいいと本人に任せていました。日本福祉大学は全国から明確な目的を持った学生が集まっていますし、各分野で先端研究をされている先生方が多く在籍されていると聞いています。そのような環境下で切磋琢磨しながら学べることは素晴らしいことですし、自身と同じ大学で学んでいることも嬉しいです。

忙しい日々でも充実

大学生活について

(母)玲子さん : 大学の指定アパートに入り、仕事をしながら夜学に通いました。奨学金を借り、昼間はアルバイトをして、夕方から大学へ。夏休みや冬休みには短期集中講義を受け、睡眠3時間程度のほとんど寝ない生活を4年間続けました。仕事の行き帰りの電車は爆睡で、周りに起こしてもらったこともあります。 2部は幅広い年齢の方がいて、仕事で休む人がいたらノートを貸しあい、テストが近くなったら情報交換もしていました。私と同じアパートにも2部生がいましたので、お互いに仕事をしながら食費をやりくりしたりしていたことも懐かしい思い出です。
サークル活動は「愛知BBS会(※)」に入り、名古屋の児童相談所の先生と一緒に卒業後も合わせて5年間活動しました。児童相談所から委託を受けた子どもたちと、キャンプやレクリエーションをして交流しました。家庭環境の大切さなど、学ぶ機会を与えていただき大変思い出深いです。

(娘)未梨さん :勉強は学年が上がるにつれ忙しく大変になってきましたが、友達と助け合いながらテストを頑張っています。取得単位やGPA等も順調にきているので、気を緩めずに今後も頑張り、3年生のうちに単位は全部取ろうと思っています。アルバイトをたくさんしているので、なかなか友達と遊ぶ機会が少ないですが、時間を作ってドライブしたり、飲みに行ったりしています。
思い返せば、あっという間の3年間で、大学に入学したらやろうと思っていたことがあまりできていない、というのが正直なところです。今後は、子ども食堂や各地でのボランティア活動等にも参加したいと思います。

お菓子パーティー
夏期集中講義後に海で花火!

今までの大学生活に点数をつけるなら?

(娘)未梨さん : コロナ禍だったこと、そして、時間やお金も足りなくてやりたいことがあまりできていないので、今はまだ50~60点です。これから残りの大学生活楽しみたいと思います。

(母)玲子さん : 親からすれば100点満点以上です。親に迷惑をかけず、アルバイトしながら学校生活もきちんと送り、奨学金とアルバイトだけで生活しているので、本当によく頑張っていると思っています。

幅広い分野を学び、成長したい!

今後の目標は?

(娘)未梨さん : たくさんあります!就職先も「精神病院」「地域の複合施設」にしようか迷っています。自分の興味がありそうな施設については、お母さんから情報を聞いたり、授業で教わったり、SNSをみて、実際に施設見学へ行ったりしています。(例えば、富山県にある富山型デイサービスや千葉県にある長い縁側がある施設など。)目標はとにかく就職する事、卒業する事、社会福祉士、精神保健福祉士の国家資格を取得することです。就職は東京を希望しています!

友だちと美浜キャンパスにて

(母)玲子さん : 大学在学中に社会福祉士のカリキュラムを受け、受験資格は取ったのですが、仕事が忙しくなかなか勉強する時間がありませんでした。その後、娘が小学6年生の時に国家試験にチャレンジ。カリキュラムが全く変わっていたので一から勉強し直しでしたが、無事合格することができました。介護福祉士も取りましたが、勉強は全部独学。子どもが寝ている間や通勤中に勉強しました。
現在は、地域包括支援センターで65歳以上の方を対象に、地域の身近な場所で人と人とのつながりを通して介護予防の活動を継続できるよう支援するという業務に携わっています。ケアマネージャーの研修中ですが、研修が終わり次第、介護予防のプランナーと今の介護予防事業との兼務となります。娘から最近の大学での話を聞いて私も頑張らなきゃなと思い、日本福祉大学のリカレント教育の「伴走型支援講座」を受講し、東京のスクーリングにも参加しました。伴走型支援はこれから大切な役割を担っていく考え方だと思います。勉強しなくてはいけないことばかりですが、卒業しても福祉の状況について常にアンテナを張っておくことは大事だと思っています。

つながりが強み

大学に期待する事は?

(母)玲子さん : 福祉のトップを走っている大学なので、これから様々な人材が出てくることが楽しみです。日福のいいところを若い人がどんどん吸収していくといいですね。それに、同窓会の繋がりは日福の強みだと思います。今働いている法人にも日福の先輩がいて、いろいろな繋がりがあり心が支えられています。「何かあったら同窓会がある、相談できる」そういう強みをもっと発信していただくことを期待します。

保護者・高校生の皆さんへメッセージ

(母)玲子さん : 私が進学するとき、「福祉はお金にならない」「なんでそんなボランティアみたいな仕事をするんだ」と言われていた時代でした。でも、福祉は自分自身を磨ける仕事です。経験を重ねていくうちに自分自身も成長することができる素敵な仕事だと思います。お子さんが「福祉の道に進みたい」と言ってきたときには、自分がやりたいことを後悔しないように頑張ってみて!と背中を押してあげるのがいいかなと思います。

(娘)未梨さん : 自分のやりたいこと、思っていることを我慢せずに言うこと。親が反対するから、誰かが反対するからと我慢せずにまずはいろんな人に言ってみること。後悔しないように勇気をもって発する事で、みんなに自分のことをわかってもらえて、道が開けると思います。

今野 玲子さん

REIKO KONNO

  • 日本福祉大学 社会福祉学部第2部社会福祉学科1991年卒業
  • 岩手県/金ケ崎高等学校出身

関連リンク

日本福祉大学社会福祉学部社会福祉学科人間福祉専修3年

今野 未梨さん

MINA KONNO

  • 東京都/東京立正高等学校出身

関連リンク

<取材:東京サテライト>