大学進学を考えるまでは社会福祉士の存在さえ知らなかったという奥原さん。介護学専攻で4年間の学びを終える来春、介護の知識・技術を兼ね備えた社会福祉士(取得見込)として新たなスタートラインに立ちます。奥原さんの入学前の思いから現在に至るまでのお話を伺いました。

祖母の思いがけない事故によって

 社会科の教員志望だった私がふくしの仕事を考えるようになったのは祖母の転倒事故がきっかけです。働き者だった祖母がある日、思いもよらず転倒したことにより突如、介護が必要な体となりました。元気に畑仕事をする姿、優しく温かい祖母が大好きだったので、ひどくショックを受けたのを覚えています。祖母のことが心配でそばについていた時、私たち家族と同じような思いで親身に介助をしてくださる介護福祉士の方の姿に憧れ、ふくしについて興味をもつようになりました。

やりたかったこと=地域福祉

 介護学専攻は介護福祉士と社会福祉士のW取得が目指せる専攻です。4年間という長い年月をかけて、高齢者・児童・地域・スポーツなど多様なふくしのあり方をじっくりと学べたことで、自分がどの分野に関心が強く、専門的に学びたいのかを分析することができ、それが私の場合、「地域福祉」でした。

 以前から東日本大震災や各地の豪雨災害のニュースを見聞きする度に、高齢者・障がい者など社会的弱者の被害の多さに胸を痛めることが多かったこともあり、卒論は「福祉避難所の設置に関する地域間比較」をテーマに書きました。調べていく中で、福祉避難所設置数の少ないところでは設置を増やしていく必要があるということ、また、しっかりと機能させるためには中身の整備が大切だということに気づくことができました。

卒論作成の様子

社会的弱者を守るために

 将来の目標を「地域を支える社会福祉士」と位置づけてからは、大学の課題にも意欲的に取り組んできました。学内の『災害ボランティアセンター』にも所属し、災害時の衛生管理や避難経路の確保、備蓄品について学んだりしています。
 こういった経験の積み重ねが社会に出て活躍しようと思う今、自分を後押ししてくれる心強い宝物となっています。
 行き詰ったり、悩んだりしたことも多くありましたが、そんな時、いつも傍で支えてくれた友達と先生には本当に感謝しています。卒業まであと少しですが、愛知県での残された時間を大切に過ごし、ふるさとの長野県に戻りたいと思います。

災害ボランティアセンターでの活動
励まし合える仲良し4人組

取材後記

 実は、1年次から3年次まで連続して介護学専攻の成績優秀表彰(学年別)を受賞している奥原さん。ご本人はいたって謙虚にお話してくれましたが、ふくしに対する思いは誰よりも熱く深いものがあると感じました。
 4月からは地元、長野県内の社会福祉協議会に就職し、地域の皆さんの支えとなる存在になりたいそうです。

 卒業まであと半年、愛知県にいる間に大好きな知多半島の海を思う存分楽しんでくださいね。

日本福祉大学 健康科学部 リハビリテーション学科 介護学専攻 4年

奥原 京さん

KYOU OKUHARA

  • 長野県/長野県豊科高等学校出身

関連リンク

<取材:松本オフィス>