| 科目名 | ダイバーシティとソーシャルワーク |
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| 単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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| 2 | 2 | 前期開講 | 添田 正揮 |
| テーマ |
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| 人間の多様性(Human Diversity)を基盤に、インクルージョンとエクイティを行動原理として、グローバルおよび地域社会におけるソーシャルワーク実践を理解する |
| 科目のねらい |
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<キーワード> 人間の多様性(Human Diversity) インクルージョン(Inclusion) エクイティ(Equity) グローバル・ソーシャルワーク 文化的コンピテンシー <内容の要約> 本講義は、人間の多様性(Human Diversity)を基盤として、ダイバーシティを単なる属性理解にとどめず、インクルージョン(包摂)とエクイティ(公平)という行動原理として捉え直すことを目的とする。私たちは、見えていないもの、聞こえていない声、制度によって不可視化されてきた人々の存在に気づかなければ、共生社会を実現することはできない。本科目では、この「気づき」を専門職としての態度・姿勢の問題として位置づける。 講義前半では、自然科学・社会科学・社会福祉における多様性概念を整理し、ソーシャルワーク専門職において人間の多様性が中核原理とされてきた背景を学ぶ。その上で、平等(Equality)と公平(Equity)の違いを理論的に整理し、「同じように扱うこと」が結果として不平等を温存しうる構造を理解する。さらに、Person-in-Environment(PIE)の視点から、人の困難を個人属性に還元せず、人・関係・制度の相互作用として捉える枠組みを確認する。 講義中盤では、グローバリゼーションの進展によって生じる移民、貧困、差別、排除といった課題を、Global Social Workの視点から検討する。文化的コンピテンシーの理論や発達モデルを通して、専門職や組織が無意識に陥りやすい文化的盲目性を批判的に考察する。あわせて、日本における多文化共生政策の歴史的展開をたどり、草の根実践から国の制度化、さらに「秩序ある共生」をめぐる現在の論点までを整理する。 講義後半では、自治体実装の枠組みや評価の視点を学び、ダイバーシティとインクルージョンを持続可能な制度として定着させるための条件を検討する。最後に、ソーシャルワーク専門職教育において、ダイバーシティを一科目に限定せず、カリキュラム全体や実習教育に主流化していく意義を確認し、専門職としての実践力と倫理的判断力の基盤を形成する。 <学習目標> 人間の多様性をPerson-in-Environment(PIE)の視点から説明できる インクルージョンとエクイティの違いを理解し、実践に結びつけて考えることができる グローバルおよび日本社会における多文化共生の課題を構造的に捉えることができる 文化的コンピテンシーを専門職の能力として説明できる ダイバーシティを社会福祉実践・政策・教育に統合する意義を説明できる |
| 授業のながれ |
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オリエンテーション:見えていないものに気づく Human Diversity の学際的定義 Equality と Equity:知るから行動へ PIE(Person-in-Environment)の現代的展開 専門職規範としてのダイバーシティ Global Social Work の視点 文化的コンピテンシー@ 文化的コンピテンシーA 日本の多文化共生政策史@ 日本の多文化共生政策史A Human Security から見た多様性 自治体実装@:7Pフレーム(政策・プロセス) 自治体実装A:実践・人材・公共性 評価とエビデンス 専門職教育への統合と総括 |
| 準備学習の内容・学ぶ上での注意 |
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| 本講義は、ダイバーシティやインクルージョンを単なる知識として学ぶのではなく、ソーシャルワーク専門職としての態度・姿勢を形成することを重視する科目です。そのため、受講にあたっては「正解を早く見つける」姿勢ではなく、自分自身の価値観や前提、無意識の思い込みを問い直す姿勢が求められます。講義の中では、不平等、差別、排除、権力関係といった社会的にセンシティブなテーマを扱いますが、これらは特定の立場を非難するためではなく、構造的な問題を理解するために取り上げられます。 授業では、見えていないものや聞こえていない声に気づくことを重視します。そのため、自分とは異なる背景や経験を持つ人々の視点に耳を傾け、安易に判断したり結論づけたりしない態度が必要です。発言や意見交換においては、他者の尊厳を損なう表現や決めつけを避け、互いの違いを尊重した対話を心がけてください。自分の意見を述べる際には、感情的な反応にとどまらず、根拠や理由を意識して言語化することが求められます。 また、本講義では「同じように扱うこと」が必ずしも公平ではない場合があることを扱います。自分が「当たり前」だと思ってきた制度や慣習、価値観が、他者にとっては障壁になっている可能性があることを常に意識してください。自分自身も社会の構造の一部であるという認識を持ち、専門職としてどのような立場で関わるのかを考え続ける姿勢が重要です。 授業内容を正確に理解するため、講義中に使用する専門用語については、辞書や信頼できる資料を用いて意味を確認することを推奨します。特に、「ダイバーシティ」「インクルージョン」「エクイティ」「人権」「文化的コンピテンシー」などの用語は、日常的な用法と専門的な定義が異なる場合があります。講義を受け身で聞くのではなく、用語の意味を自ら確認し、理解を深めることが学修効果を高めます。 なお、講義内で紹介する事例や政策は、現実社会の課題と密接に関わっています。授業で得た知識や視点を、ニュースや日常生活の出来事と結びつけて考えることで、理解が一層深まります。自分とは異なる立場の人々が置かれている状況を想像し、専門職としての責任と役割について主体的に考えながら受講してください。 |
| 事前事後 | 学習内容 | 時間数 |
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| 事前 | 指定した資料やテキストの該当箇所を読み予習を行う | 15 |
| 事後 | 授業のふりかえり、課題学習に取り組む | 15 |
| 本科目の関連科目 |
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| ソーシャルワーク、多文化ソーシャルワーク論、国際福祉論 |
| 成績評価の方法 |
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| ・初回オリエンテーション時に講義の進め方や学習の展開方法、注意事項を説明する。 ・それぞれ責任のある行動を心掛け、有意義な学習となるよう取り組むこと。 ・指示した範囲の予習に取り組み、授業で習得した知見の復習を行うこと。 |
| テキスト |
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| ■テキストを使用する ■レジュメを使用する □未定 (最初の授業で指示する) |
<著者>武田丈他編 <テキスト名>国際ソーシャルワークを知る 世界で活躍するための理論と実践 <出版社>中央法規出版 |
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