科目名 哲学特講

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 後期開講 赤石 憲昭

テーマ
いじめを哲学する

科目のねらい
<キーワード>
いじめ  承認
人格  社会
教育

<内容の要約>
哲学は古来より「人間とは何か」について探求してきました。この哲学特講では、人間の根本に関わる問題として「いじめ」問題を取り上げます。2024年度の小中高等におけるいじめの認知件数は、76万件を越え、過去最多を更新しました。いじめにより自殺をしてしまう子どもたちの悲しいニュースも後を絶ちません。いじめはなぜなくならないのでしょうか?そもそも人間はなぜいじめをするのでしょうか?どうすればいじめをなくすことができるのでしょうか?本講義では、この大問題について哲学の立場から取り組みます。果たして、いじめは「人間的」な営みなのか「非人間的」な営みなのか、また、いじめは「社会的」な営みか「反社会的」な営みなのか、さらには、いじめのない社会構築のために、すなわち、私たちが互いを人格として尊重し合う社会の実現に向けて、私たちが何をしなければならないか。これらの問題を、佐山圭司『いじめを哲学する:教育現場への提言』(晃洋書房、2022年)をもとに、受講生全員で考えていきます。本授業では、いじめ問題に関する、哲学にもとづくこれまでとは違った知見を得ることができるとともに、哲学概論および倫理学概論で学んだ事柄の理解を深めることにもつながるでしょう。もちろん、これまでの教育学的・心理学的な学びも役立てて下さい。

<学習目標>
いじめの問題について哲学の議論をもとに理解を深めるとができる。
いじめ問題を事例として「人間とは何か」について深く理解することができる。
人間を互いに尊重する社会のありかたについて考えることができる。

授業のながれ
オリエンテーション
序章 私たちのいじめ理解にひそむ問題
第1章 いじめは「人間的」か、それとも「非人間的」か@ 第1節 いじめは「楽しい」? 第2節 いじめっ子は「狼」か?
第1章 いじめは「人間的」か、それとも「非人間的」かA 第3節 人間は「いじめる動物」か? 第4節 サルも「いじめ」をする?
第2章 いじめは「社会的」か、それとも「反社会的」か?@ 第1節 「社会のせい」でいじめは起こる? 第2節 「認められたい」からいじめる? 第3節 いじめは欲求不満の「はけ口」か?
第2章 いじめは「社会的」か、それとも「反社会的」か?A 第4節 いじめは「スケープゴート」か? 第5節 いじめられる子が「悪い」のか? 第6節 「みんながいじめる」からいじめる?
第2章 いじめは「社会的」か、それとも「反社会的」か?B  第7節 「妬ましい」からいじめる? 第8節 「学校がある」からいじめが起こる?
第2章 いじめは「社会的」か、それとも「反社会的」か?C 第9節 「ふつうじゃない」からいじめる? 第10節 「ネットがある」からいじめが起こる?
いじめについて実例をもとに考える(ゲスト講師招聘)
第3章 「人格」とは何か?@ 第1節 「共感」の限界 第2節 自分を隠す「仮面」
第3章 「人格」とは何か?A 第3節 自分との「沈黙の対話」第4節 自分の「内なる他者」
第3章 「人格」とは何か?B 第5節 人が人の「神」になる
終 章「公平な観察者」から「完璧な偽善者」へ@ 第1節 汝自身を知れ 第2節 他者を知れ
終 章「公平な観察者」から「完璧な偽善者」へA 第3節 自ら人格であれ、そして他者を人格として尊敬せよ  第4節 完璧な偽善者になれ(ゲスト講師招聘)
まとめ他

準備学習の内容・学ぶ上での注意
毎回、少しずつテキストを読み進め、適宜、意見交換を行います。テキストで取り上げられる哲学者の議論は難しいものも多いですが、深刻ないじめ問題の解決のための重要なヒントになるものであるとともに、人間の本質についての根本的な洞察を示したものです。つねに自分自身のあり方と結びつけながら、テキストを読み、考えてください。哲学に関する解説書を手元に置いて、適宜参照できるようにすると良いかもしれません。また、本授業は、難しいテキストを読みこなす貴重な訓練の場でもあります。毎回、テキストの該当箇所をしっかり読んできてください。テキストの購入については、オリエンテーション時に指示しますが、著者割引(2割引)での購入も可能です。各自で購入して頂いても構いません。

事前事後 学習内容 時間数
事前 テキストの該当箇所を読む。 20
事後 レジュメ・テキスト等を読み、講義の内容を復習する。 10

本科目の関連科目
哲学概論、倫理学概論、倫理学特講(死生学)、人文科学の世界、社会科学の世界、自然科学の世界、市民社会の諸問題

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 55%
授業内でのレポート・課題等 45%
その他  0%
毎授業時のミニレポート課題(45点)と授業内レポート課題(55点)の計100点満点の内、60点以上を合格とします。 ※受講者数によっては、評価の仕方を変更する場合があります。その場合は、参加者の合議によって決定します。

テキスト
□テキストを使用する
□レジュメを使用する
■未定 (最初の授業で指示する)
 



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