科目名 | 医療福祉経営論2025 |
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単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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4 | 1 | 通年開講 | 井尾 公治 |
テーマ |
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医療福祉経営の基本的視座を学ぶ |
科目のねらい |
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<キーワード> 医療福祉サービス 専門職と専門職組織 医療福祉施設のマネジメント <内容の要約> 医療福祉施設の経営は企業の経営理論をそのまま当てはめようとしても困難である。その理由は医療福祉サービスの持つ専門性や公共性という特性、サービスを提供する専門職の自律性、組織が専門職組織であること、事業が制度や政策に大きく依存することなどがあげられる。本講ではこれらを踏まえて医療福祉経営の基本的視座を提供しようとする。 <学習目標> 医療福祉サービスの特性を理解し説明することができる。 医療福祉サービスを提供する専門職や専門職組織の特性を理解し説明することができる。 医療福祉施設のマネジメントについて深く考えることができる。 |
授業のながれ |
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単元 I 医療福祉サービスのマネジメント 第1講:医療福祉サービスの特性、定義、類型化:医療福祉サービスの特性を明らかにするために、医療福祉サービスの定義と類型化を行う。 第2講 サービスの一般特性:日頃私達が何気なく受けている様々なサービスにはどのような特性があるのか。サービスの提供者、享受者の視点や、サービス自体の性質等を整理する。 第3講 医療福祉サービスの特性:医療福祉サービスの定義や類型化、サービス一般の特性などの分析から、医療福祉サービスの特性を明らかにする。 第4講 新たな顧客の定義:ドラッカーは事業を考える上で、最初に「顧客とは誰か?」を問うことが重要だと述べたが、医療福祉サービスに「顧客」の概念が当てはまるのかを考える。 第5講 顧客概念の拡大と福祉サービスにおける顧客:第4講で医療福祉サービスの顧客を新たに定義し、「直接顧客」を分析した。この講では、他の医療福祉施設、医療専門職、内部顧客、外部顧客と拡大して考える 第6講 医療福祉サービスの構造:医療福祉サービスの構成要素や要素間の関係を分析することによって医療福祉サービスの内容が明らかにし、医療保険制度との関連についても検討する。 第7講 医療福祉サービスの需要過程と生産過程:医療福祉サービスの需要過程と生産過程を分析する。顧客が医療福祉サービスの必要性を感じるメカニズムや行動の決定や、提供側の生産メカニズムの特性を理解する 第8講 医療福祉サービスの交換:医療福祉サービスの交換について、相互作用や需要・供給の準備過程が重要であることを明らかにする。 第9講 添削課題 単元 U 医療福祉組織のマネジメント 第10講 専門職の特性、医療福祉専門職の特性:専門職一般の特性について考え、それらの特性が医療福祉専門職に当てはまるかを検討する。 第11講 医療福祉専門職の社会構造:専門職種間の関係を明らかにする。医療は資格、専門が明確になっており、協同して仕事にあたるものの、そのヒエラルキーは確立されている。 第12講 医療福祉専門職のモチベーション:モチベーションに関する先行研究を概観した上で、医療専門職のモチベーションの充足要因、医療専門職モデルやモチベーションの阻害要因などを検討する。 第13講 専門職の特性 医療福祉組織の特性と専門職組織としての病院:医療福祉組織の特性を分析し、組織の類型化を行う。 第14講 病院組織のダイナミクス:病院組織の成長に伴う構造変化と組織成長のダイナミクス(力学的特性)を分析する。 第15講 添削課題 第16講 人と組織のマネジメント 医療福祉組織の目標:一般企業でも病院でも、使命や理念を掲げているところは多い。これが医療福祉組織のマネジメントにどのように活かされているのかを検討する。 第17講 人と組織のマネジメント 意思決定と実施の課程:医療福祉組織において目標がどのように決定され実施されるかというプロセスを検討する。専門職集団があるがゆえの特徴を見つけ出す。 第18講 人と組織のマネジメント 医療福祉組織のリーダーシップ:専門職組織の意思決定の特徴を理解した上で重要になるリーダーシップについて明らかにし、そして医療福祉組織の経営管理者について検討する。 第19講 添削課題 単元 V 医療福祉制度のマネジメント 第20講 医療サービスの供給制度:日本の医療供給体制の特徴と医療施設の種類や機能について概観する。 第21講 医療福祉専門職の育成制度:医療福祉専門職の資格制度や育成政策、需給調整についてみていく。医師は不足であったり過剰であったり、看護師は不足の時代が続く。 第22講 産業政策としての医療供給政策:医療供給政策を産業政策としての視点から捉えて検討する。多様な開設主体を整理した後、民間医療機関の保護・育成政策について分析する。 第23講 医療保険制度の歴史:医療保険制度と診療報酬について検討を行う。医療保険制度の歴史について概観したうえで医療保険制度の仕組みについて見ていく。さらに診療報酬について検討する。 第24講 医療保険制度の仕組み:医療保険制度の仕組みを分析する。医療保険の種類と保険者、給付内容と方法などを見た上で、医療費の増加問題、高齢社会に対応する保険制度、医療保障の財源問題の検討を行う。 第25講 診療報酬:医療費の分配制度である診療報酬について概観しその機能について検討する。診療報酬が医療費の分配制度に止まらず,医療供給政策と医療保険政策の重要な政策手段であることを明らかにする。 第26講 医療費抑制政策の分析方法:医療費抑制政策の分析方法について考える。分析にあたり、医療費増加のメカニズムや市場の失敗や政府の失敗を確認し、医療供給政策と医療保険政策とに区分して見ていく。 第27講 医療費抑制のための医療供給政策:病床規制は供給量規制で、市場の効率化と診療報酬による誘導とふるい落としで規制を進めた。本講では戦後の医療供給政策の変容を6つのケースに整理して比較する。 第28講 医療費抑制のための医療保険政策・診療報酬:医療費を抑制するために、様々なアクターが登場しアリーナで戦っている。どのようなアクターが何を主張しているのかを明確にし、問題の難しさを理解する。 第29講 制度や政策をマネジメントするために:医療福祉経営の外部環境である制度や政策をマネジメントするために、政策の変容と政策過程を理解する。 第30講 添削課題 |
準備学習の内容・学ぶ上での注意 |
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添削課題を受けることで、テキストで学んだ内容の理解度を確認することができます。添削課題は80%以上の正答率で合格となります。 |
事前事後 | 学習内容 | 時間数 |
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事前 | 関連分野の書籍を手に取ってみる。 | 10 |
事後 | 添削課題に取り組む | 8 |
事後 | 興味をもった講に関して学習を深める。 | 10 |
本科目の関連科目 |
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成績評価の方法 |
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すべての添削課題に合格後に受験する科目修了試験により合格を判定する。評価基準は、A(100〜80点)、B(79〜70点)、C(69〜60点)を合格、D(59点以下)を不合格とする。 |
テキスト |
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■テキストを使用する □レジュメを使用する □未定 (最初の授業で指示する) |
<著者>中島明彦 <テキスト名>医療福祉経営入門 <出版社>同友館 <著者>井尾公治 <テキスト名>「医療福祉経営論」 <出版社>学習指導書(本学オリジナル) |
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