科目名 社会福祉データ解析入門

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 前期開講 斉藤 雅茂

テーマ
根拠に基づいた社会福祉実践にむけたデータ収集と統計解析

科目のねらい
<キーワード>
調査票の設計  統計的検定
クロス集計  相関係数
多変量解析

<内容の要約>
近年、保健・医療・福祉分野では科学的根拠に基づく実践(Evidence Based Practice)であることが求められ、データを活用・分析する能力の必要性が益々高まっています。街頭アンケートをはじめ、調査データは世の中に数多く存在しますが、残念ながら、ほとんど意味をなさない「ゴミ」と言えるものも少なくありません。せっかく集めたデータが「ゴミ」になってしまうのは、データ収集にかかる準備不足・検討不足とデータの取り扱いに関する経験不足の2つに起因しているといえます。そこで、本授業では、卒業論文・研究で扱うことを視野に入れ、調査票の設計を含むデータ収集の実際、および、統計解析手法の入門を取り上げます。数学的な原理(アルゴリズム)はさておき、定量的なデータを「使える」ようになることを目標にして、具体的な事例(卒業論文など)を取り上げながら解説していきます。可能な限りで受講者による演習・体験を追求します。

<学習目標>
調査課題(リサーチクエスチョン)の意味を理解し、自ら課題を設定できる。
有益な調査票を作成する際の留意点を理解し、自ら設計できる。
表計算ソフトを用いて記述統計(度数分布表・クロス集計表)を出力できる。
統計解析ソフトを用いて統計的検定および多変量解析を行うことができる。

授業のながれ
社会調査の進め方;統計解析を読める・扱える
調査票作成の演習@ 既存の調査票を調べてみる
調査票作成の演習A 調査課題を設計し、交絡要因を考える
調査票作成の演習B 調査票を完成させる
調査票作成の演習C 紙を使わない調査票(Google form)を作ってみる
調査の実施
ローデータの作成と統計ソフトの機能確認
度数分布表の出力・データのクリーニング・加工・四則演算
二変量解析の演習@ クロス集計(相対度数・χ2検定)の意味と出力
二変量解析の演習A 平均値の比較(分散分析)の意味と出力
二変量解析の演習B 相関分析(単相関・偏相関)の意味と出力
多変量解析の演習@ 重回帰分析等の意味と出力
多変量解析の演習A 因子分析・クラスター分析の意味と出力
解析結果のまとめ方・魅せ方
半期の振り返りとまとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
本講義では、資料(パワーポイント等)に基づいて進めていきます。随時、参考図書を紹介していきますので、関心に合わせてより理解を深めて頂きたいと思います。とくに、統計の基本などは講義だけで全てを理解することは難しいです。欠席される場合には当該回についての復習を「必ず」行ってください。事前に学習を進めておくことをお薦めします。また、講義で学んだものに基づいて、新聞やテレビ、インターネットで紹介される各種の調査結果を批判的に読んで頂ければと思います。

事前事後 学習内容 時間数
事前 調査票作成演習および統計手法の理解のためにおよそ15時間程度の復習を要します 15
事後 中間レポート課題を遂行するためにおよそ15時間程度を要します 15
事後 期末試験準備のためにおよそ15時間程度の復習を要します 15

本科目の関連科目
社会福祉調査論、社会学、心理学、保健社会学、福祉データ処理演習

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 50%
授業内でのレポート・課題等 30%
その他  20%
統計手法を正しく読み・活用できているのかを定期試験で評価します。その他、課題への取り組み状況や講義への参加状況等を踏まえて総合的に判断します。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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