精神保健福祉論

科目名	精神保健福祉論

単位数	学年配当	開講期間	担　当　教　員
4	3	前期開講	大谷　京子

テーマ

精神保健福祉の歴史を踏まえ、精神障害の定義、当事者の社会的立場の変遷を理解し、問題意識を持つ視点を獲得する。ソーシャルワーカーの専門性を理解し、専門職アイデンティティの基礎を築く。

科目のねらい

＜キーワード＞
障害者福祉の理念　　精神障害者の生活実態
精神保健領域のソーシャルワーカーの機能と役割　　専門職アイデンティティ
ソーシャルワーク関係

＜内容の要約＞
精神保健福祉の歴史：日本の精神保健福祉に関連する法制度の変遷と、その時代に生きた精神障害者の実態を概観する。また西欧諸国の歴史にも触れ、いかに現在の精神保健福祉が形成されてきたのか、現状に残された課題は何かを考える。精神障害者に対する支援の基本的な考え方と必要な知識：精神障害者福祉の理念をふまえ、精神障害者の人権がいかに侵害されてきたか、また社会的復権のためのソーシャルワーカーの活動の歴史を概観し、専門職として大切にするべき視点を養う。精神保健領域のソーシャルワーク機能と役割を学び、現実をいかに捉え、支援者としての立ち方について考える。さらにソーシャルワーカーと当事者との関係性についても触れる。（精神科病院および地域の事業所においてソーシャルワーカーの経験を持つ教員が、精神保健福祉の理論に関する講義を行う。）

＜学習目標＞
日本の精神保健福祉の歴史を理解し、現実を捉えることができる。
精神障害者福祉の理念を学び、専門職としての立ち方を考えることができる。
精神保健福祉士の基本的枠組みを理解できる。
ソーシャルワーカー-クライエント関係について、多様な様相を説明できる。
グループワークを通して、他者と協働する姿勢を身につけることができる。

授業のながれ

オリエンテーション：精神障害者の置かれている現状
精神障害者をとりまく現状Ⅰ
精神障害者をとりまく現状Ⅱ
障害の概念I：ICIDHとICF、法における定義の変遷を理解します。
障害の概念Ⅱ：ICIDHとICF、法における定義の変遷を理解します。
精神障害者の人権：人権侵害がどのように維持されているのか、自分の生活に近づけてイメージします。
障害者福祉の基本理念Ⅰ：ノーマライゼーション、リハビリテーションについて学びます。
障害者福祉の基本理念Ⅱ：IL＝自立生活、QOLについて学びます。
障害者福祉の基本理念Ⅲ：　エンパワメント、リジリエンス、ストレングスについて学びます
障害者福祉の基本理念Ⅳ：　リカバリーについて学びます
援助関係：パターナリズムと自己決定という相反するあり方について学びます。
諸外国の精神保健福祉の歴史Ⅰ
諸外国の精神保健福祉の歴史Ⅱ
権利擁護のための国連の動き：「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」を中心に、人権擁護のために何が必要かを考えます
日本の精神保健福祉の歴史Ⅰ
日本の精神保健福祉の歴史Ⅱ
日本の精神保健福祉の歴史Ⅲ
日本の精神保健福祉の歴史Ⅳ
日本の精神保健福祉の歴史Ⅴ
精神保健福祉士Ⅰ：精神保健福祉士の歴史を踏まえ、何を大切にする専門職かを学びます。
精神保健福祉士Ⅱ：精神保健福祉士法によってどのように規定されているか理解し、さらに法の範疇におさまらないPSW実践について学びます。
精神保健福祉士Ⅲ ：業務特性について、グローバル定義から考えます。
精神保健福祉士Ⅳ ：精神障害リハビリテーションにおけるソーシャルワーカーの役割を考えます。
精神保健福祉士Ⅴ ：実践課題について、倫理綱領を基に学びます。
精神保健福祉士Ⅵ ：専門職アイデンティティとは何か考えます。
事例検討：実際に事例を基にグループで情報収集しながらアセスメントに挑戦します。
事例検討：実際に事例を基にグループで情報収集しながら支援計画を立ててみましょう。
グループ発表Ⅰ：各グループの研究成果のプレゼンテーションをしていただきます
グループ発表Ⅱ：各グループの研究成果のプレゼンテーションをしていただきます
まとめ：グループプレゼンテーションへの講評と、これからの精神保健福祉の課題について検討します

準備学習の内容・学ぶ上での注意

　2週間に1回程度、計8回の小テストを実施します。半年後にはテキスト 1 冊をしっかり身につけた状態になることを目指します。したがって事前学習は相当量が必要になります。例年、この科目の単位履修者は｢自分を誉めたい」と言います。たった3ヶ月で成長する自分を実感していただきたいと思います。　グループによる発表がありますので、そのプレゼンテーションの準備にも相当のエネルギーが必要です。精神保健福祉関連施設への見学、プレゼンテーションのための情報収集など、グループで自主的に、そして協調して進める必要があります。ソーシャルワークに必要なグループワークの技法を実地で学んでいただきたいと思っています。　小テストはテキストから出題しますので、ご準備いただく必要があります。（精神科病院および地域の事業所においてソーシャルワーカーの経験を持つ教員が、精神保健福祉の理論と展開に関する講義を行う。）

事前事後	学習内容	時間数
事前	小テストのための学習	80
事後	期末テストのための学習	30
事前	グループプレゼンテーションのための準備	15

本科目の関連科目

「精神障害リハビリテーション論」「精神医学」「精神保健学」「精神保健領域のソーシャルワーク」｢精神保健福祉制度論」等、精神保健福祉関連科目。

成績評価の方法

期末試験（筆記・Web・レポート・最終授業内）	50％
授業内でのレポート・課題等	40％
その他(グループプレゼンテーション)	10％

計8回の小テスト40%、定期試験50%、グループ発表10%として評価します。

テキスト

■テキストを使用する
■レジュメを使用する
■未定（最初の授業で指示する）

＜著者＞一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟　＜テキスト名＞最新　精神保健福祉士養成講座５精神保健福祉の原理　＜出版社＞中央法規出版