科目名 社会福祉関係法

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 3 後期開講 妹尾 知則

テーマ
社会福祉サービスの利用関係を、法的な観点から講義します。法的な観点とは、福祉サービスの利用を「権利・義務」の関係として捉え、自治体、事業者等の義務・責任を利用者の権利保障という点から捉えることを意味します。

科目のねらい
<キーワード>
利用者の権利保障  社会福祉サービス提供者・国や自治体の義務
福祉サービス提供における公的責任の追及  利用者の権利実現の法的仕組み
人間の尊厳の獲得と健康で文化的な生活の保障

<内容の要約>
社会福祉を「法的な関係」で捉える必要性を講義します。例えば、生活に困窮した市民が市町村へ福祉サービスを申請したが、何も応答がなかった場合。福祉サービスを利用する必要があるが、契約の締結が難しく、結局、何もできなかった場合。子どもや高齢者を預かってくれる施設が不足していた場合。障害者福祉を利用しようとしたが、希望した時間数よりはるかに少ない時間しかヘルパーが派遣されなかった場合。これらの場合、受講生はどうしますか?市町村等に苦情や要望をいくらしても解決しないことが多々あります。例えば、「お金が無い」、「わが市は福祉には力を入れない」など言われたらどうしましょう。  その時、「法」は、市町村等にはどのような「義務」があり、市民のどのような「権利」を実現する必要があるか、といった方法で解決を図る手助けをしてくれます。福祉サービスはやっても、やらなくてもよい任意的恩恵的性格ではなく、市町村等がやらなければならない義務であり、その「義務」を、市民等がやらせる「権利」を明らかにする意義は大きい。本講義では、さまざまな事例を取り上げ、福祉サービス利用関係を権利義務的に捉えることができるような講義を行います。

<学習目標>
社会福祉制度を利用する関係を権利と義務の関係から把握し、利用者の権利を守ることができる。
社会福祉サービス提供の制度的仕組みを理解し、利用者への支援に役立てることができる。
社会福祉の権利救済活動(人権の保障)に活用しうる視点と知識をもてるようになる。

授業のながれ
社会福祉を法を通じて学ぶ意味を考える。権利としての生活保護の確立
生活保護法の原理・原則
朝日訴訟を通じて考える生活保護の権利
外国人への生活保護法の適用をめぐる課題
生活保護における資産活用@:学資保険返戻金をめぐる事例と高校進学保障
生活保護における資産活用A:資産価値のない自動車保有と資産活用
生活保護における稼働能力活用要件:行政の判断基準と近年の裁判事例の傾向
生活保護における居宅保護:ホームレスの保護における原則と例外の逆転
生活保護における指導・指示:指導・指示内容をめぐる裁判事例
社会福祉制度の沿革:社会福祉基礎構造改革による「措置から契約へ」
社会福祉サービスの種類と概要
児童福祉:保育所等への入所の拒否と入所義務付けをめぐる裁判事例
障害者福祉@:障害福祉サービスの支給量をめぐる裁判事例
障害者福祉A:障害者の雇用と虐待をめぐる事例と公的責任
高齢者福祉:介護事故の責任追及、刑事責任に問うことの危険性

準備学習の内容・学ぶ上での注意
配布したレジュメ、配布資料を使って復習をすること。

事前事後 学習内容 時間数
事前 次回授業の予習 20
事後 授業のまとめ 20
事後 定期試験、レポート等の学習 20

本科目の関連科目
法律系科目等(法律を学んだ事がなくても履修上は問題ありません)

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 50%
授業内でのレポート・課題等 50%
その他  0%
定期試験:レポート課題を出し、その内容によって評価する。講義中に触れた事件・事例についてテーマを出すが、詳細は講義中に指示する。 課題・小テスト:毎回、出席状況の確認を兼ねて、講師から質問を出し、それへの返答をコメントペーパーに書いてを提出してもらう。その内容から評価する。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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