科目名 現代生活論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 2 後期開講 角崎 洋平

テーマ
家計と生活時間から診た、現代生活の困難と社会福祉・福祉政策の必要性

科目のねらい
<キーワード>
家計  家族
生活時間  消費生活
資本主義経済

<内容の要約>
私たちは、自らの家族もしくは自分自身が働いてお金を得て、そのお金でモノやサービスを消費して、生活している。そういう意味で私たちの生活は、「自分の消費分は基本的に自分たちで生産する」前近代社会の生活とは異なる。この講義では資本主義経済に生きる私たちの生活のありようを、「家計」という視点で分析していくものである。ただし、この授業は、家計における「お金のやりくり」にのみ注目するものではない。家計にお金を入れるための「労働」(働き方)に関する問題や、家族をケアしながら労働して家計を運営していく「ワークライフバランス」の困難にも注目していく。こうした分析から現代生活の困難を明らかにし、社会福祉の支援や福祉政策の必要性について確認していく。

<学習目標>
現代社会における生活困難の実態を、家計における「お金のやりくり」の難しさという観点から理解することができる。
現代社会における生活困難の背景として資本主義経済システムがあることを理解することができる。
多様な世帯・家計・労働のありようを理解し、真に家計の状態を改善できるような適切な支援や政策を構想することができる。

授業のながれ
1.ガイダンス:講義概要・履修上の注意
2.家計を診る基本:家計の収支・資産と物価
3.働いて得るものと失うもの:労働・賃金・時間
4.子育て世帯の家計:手薄な社会保障と時間貧困
5.高齢者世帯の家計:なぜ老後に2000万円が必要とされるのか
6.消費行動と消費者問題:「選択の自由」の実態と諸問題
7.税と社会保険:所得税・住民税・社会保険のしくみ
8.世帯内資源配分:家庭に隠れる貧困と抑圧
9.低所得者世帯の家計:不安定な収支構造
10.家計と金融:借金することのメリットとデメリット
11.低所得者に対する家計支援:所得保障と家計改善支援
12.地域で暮らしを支える(ゲスト講義を予定)
13.現代生活の困難の原因は何か@:資本主義経済と労働者の劣位
14.現代生活の困難の原因は何かA:日本の女性政策・家族政策の歴史
15.まとめと展望:現代生活の困難と福祉国家の多様性

準備学習の内容・学ぶ上での注意
毎回講義後にその回の講義内容についての確認小テストを実施する(nfu.jpのシステムを利用して実施する)。この小テスト問題は、社会福祉士国家試験問題(社会学と社会理論、社会保障、貧困に対する支援)からも出題するので、しっかり取り組むこと。また小テスト問題は期末テストでも再出題するので、期末テスト対策のためにも小テスト問題の復習が必要になる。

事前事後 学習内容 時間数
事前 関連する授業科目の復習 15
事後 授業後の質問・感想・ミニレポートの提出 7.5
事後 毎回の確認小テストや復習テストの実施 7.5

本科目の関連科目
社会学、公的扶助論、福祉行政と経済、社会保障論T

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 30%
授業内でのレポート・課題等 70%
その他  0%
平常点(60点)は、毎回講義後実施する確認小テストの正答率と、復習テストの実施状況、および授業後のミニレポートによって評価する。期末テスト(30点)は、確認小テスト既出問題を(少しだけアレンジしたものを)出題し、web上で実施してもらう。また任意提出の期末レポートによっても評価する(10点)。より具体的には初回授業で詳しく説明するので、必ず出席すること。やむなく欠席した場合は講義録画を視聴すること。

テキスト
□テキストを使用する
■レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
 



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