科目名 産業組織論

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
4 3 前期開講 矢田部 亨

テーマ
産業に様々な問題について経済学的な視点から考察する。

科目のねらい
<キーワード>
市場構造・企業行動・市場成果  寡占市場
製品差別化  規制・規制緩和

<内容の要約>
産業組織論とは、消費者や生産者の行動が市場にどのような影響を及ぼしているかを分析し、社会にとって望ましい配分が実現しているかどうかを評価する学問である。産業または企業の行動を知ることで、現実における規制や政策の在り方について考えることができる。本講義では、現実に起こっている問題を取り上げながら、競争政策の意義について考えていく。

<学習目標>
産業や企業の行動が市場にどのような影響を及ぼすかを論理的に考えることができる。
競争のメカニズムが働いているときといないときを比べて市場成果がどのように異なるかを理解できる
公的な規制が必要な企業とはどのような企業であるかを説明できる。
モラルハザード、マルチサイド市場について理解できる。

授業のながれ
イントロダクション(古典的産業組織論と新産業組織論)
ミクロ経済学の復習(企業の利潤最大化問題・余剰分析)
産業組織論分析の基礎(完全競争と不完全競争)
独占市場と市場の効率性(買手独占、売手独占、市場の効率性)
独占企業の行動(価格差別、参入障壁)
企業の費用構造と規制(平均費用逓減産業、サンクコスト)
参入の経済効果(コンテスタブル市場と独占的競争)
ゲーム理論入門その1(戦略形ゲーム、利得行列、支配戦略均衡)
ゲーム理論入門その2(ナッシュ均衡、パレート効率性)
寡占市場その1(ベルトラン競争、クールノー競争、推測的変動)
製品差別化市場その1(水平的差別化と垂直的差別化)
製品差別化市場その2(製品差別化財のベルトラン・クールノー競争モデル)
ゲーム理論入門その3(展開形ゲーム、サブゲーム完全均衡)
寡占市場その2(プライスリーダーシップ競争、シュタッケルベルク競争)
中間まとめ
市場の画定(市場支配力とハーフィンダール指数、市場の画定方法)
品質と価格戦略(ヘドニック関数、浸透価格戦略)
カルテル(繰り返しゲーム、暗黙的な協調)
企業結合(合併の効果、合併に対する規制)
戦略的行動と市場の独占化(サンクコストをともなう投資、略奪価格)
垂直的統合と垂直的取引制限(再販売価格維持、排他的取引)
技術進歩と研究開発(知的財産権、特許)
ゲーム理論入門その4(不完全情報ゲーム、不確実性)
逆選択とシグナリング(レモン市場、企業の人材育成コスト)
公的規制とモラルハザード(ユニバーサルサービス産業、アバ―チジョンソン効果)
規制緩和(規制緩和の根拠、民活導入)
中間組織の形成(取引費用、ホールドアップ問題)
独占禁止法(競争政策、価格規制)
マルチサイド市場(ネットワーク効果、マッチング型、ブラウズ型)
まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
解説・説明は基本的にスライドで行われるが、場合によって図や数式を板書することもある。レジュメ・プリントの配布はしないので、スライドを見ながら自筆ノートを授業の時間内でとっていく必要がある。受講者は、指定のテキストで予習し、自筆ノートを通じて理解できるまで復習すること。特に前半では、計算問題が多くあるので、基本的な微分・関数・面積の計算について復習しておくこと。授業中の私語、携帯電話・スマートフォンの使用、居眠り、教室からの無断退出を固く禁じる。携帯電話・スマートフォンは授業前に電源を切っておくこと。もし違反した場合は単位を認めないことがある。 講義内に扱うモデルと現実の企業・産業の関係を考察し、ニュースなどから情報を得て考察を深める姿勢があると尚良い。

事前事後 学習内容 時間数
事前 産業組織論・ミクロ経済学に関するテキストを読む 15
事後 講義内で扱った内容を復習する。また、講義内で提示された練習問題や例題を解きなおす。 15
事後 新聞やニュースなどから実経済の動向を調べる 15
事後 中間テスト・全講義終了後の試験対策 20

本科目の関連科目
「経済学」「ミクロ経済学」「経営経済のための数学」

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 100%
授業内でのレポート・課題等 0%
その他  0%
中間試験・期末試験を基に行う

テキスト
□テキストを使用する
□レジュメを使用する
■未定 (最初の授業で指示する)
 



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